連載「“国民病”腰痛の8割以上はなぜ治らないのか」第21回

股関節が硬くて「腰痛」に~「かがむ」と「しゃがむ」の違い、ハムストリングスのストレッチにヒント

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
461189059.jpg

股関節が硬いと「腰痛」になりやすい(shutterstock.com)

 前回、腰痛の原因となるものとして<硬くなった胸椎>を解説した(参照:腰痛の原因は<硬くなった胸>! 「胸椎」を動かす簡単エクササイズで柔軟性をアップ)。

 腰椎を挟んでいるのは、上が「胸椎」で下が「股関節」。今回はその続きともいえる話だ。股関節に着目してみよう。

股関節が硬いと腰痛になりやすい

 最近の論文から、「股関節が硬い人は、その分、腰椎を動かして代償する傾向がある」ことが明らかになった。

 この研究では、椅子に座った状態で、腰を動かさないようにしてもらいながら、足を上にあげる。つまり、股関節を曲げる動きをしてもらい、腰痛を持っている人とそうでない人で動きを比較した。

 その結果、腰痛持ちの人は、股関節の動きが乏しく、その分、腰が動きやすくなっていたという結果が出た。

 なぜ、股関節が硬いと腰痛になりやすいのか? また、腰痛持ちの人はなぜ股関節が硬いことが多いのか? それを考えてみよう。

 そのためには、まず「かがむ」と「しゃがむ」の違いについて考えることがヒントとなる。

「かがむ」と「しゃがむ」は全く違う

 この2つは、実は全く違うものである。

 私たちが床にあるものを拾うとき、「かがむ人」と「しゃがむ人」がいる。「かがむ」は漢字で「屈む」となり、英語では「Bend(曲げる)」となる。一方、「しゃがむ」は漢字で「踞む」となり、英語では「Squat」となる。

 「かがむ」は、腰を曲げて低い体勢になる。だが、「しゃがむ」は漢字や英語が示している通り、「蹲踞(そんきょ)の姿勢」のように腰を落として、低い体勢になる。つまり腰は曲げない。

 腰に良いのは、どちらだろうか? 当然、腰を曲げない動作のほうが負担が少ない。つまり、「しゃがむ」ほうが腰に負担のかからない理想的な動作なのだ。

 ところが、「しゃがむ」ためには、腰ではなく股関節を曲げる必要がある。そこで、冒頭の股関節の話とつながってくる。

 股関節が硬い人は、「しゃがむ」ことを自然と避けるケースが多い。そのため、股関節ではなく代わりに腰を曲げて「かがんで」しまうのだ。それが何百回も続けば、当然、腰の負担が増えてくるのは想像できるだろう。

三木貴弘(みき・たかひろ)

理学療法士。日本で数年勤務した後、豪・Curtin大学に留学。オーストラリアで最新の理学療法を学ぶ。2014年に帰国。現在は、医療機関(札幌市)にて理学療法士として勤務。一般の人に対して、正しい医療知識をわかりやすく伝えるために執筆活動にも力を入れている。お問い合わせ、執筆依頼はcontact.mikitaka@gmail.comまで。

三木貴弘の記事一覧

三木貴弘
幹細胞治療でCOVID-19の重症化抑制と予防の可能性
『新型コロナに対する幹細胞治療が注目』後編  スタークリニック院長竹島昌栄医師

前編『新型コロナ治療の救世主となるか 幹細胞治療の成果に注目』

いまだ世界的に猛威を振るう新型コロナウイルス。その治療薬やワクチン開発が進む中、注目を集めているのが幹細胞による治療だ。幹細胞治療に詳しいスタークリニックの竹島昌栄院長に話を聞いた。

nobiletin_amino_plus_bannar_300.jpg
Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

(医)スターセルアライアンス スタークリニック …

竹島昌栄

ジャーナリスト、一般社団法人日本サプリメント協会…

後藤典子

大阪大学大学院言語文化研究科教授。米国ウィスコン…

杉田米行