連載「眼病平癒のエビデンス」第14回

緑内障患者が服用してはいけない薬は?「抗コリン作用」の副作用で失明の危険も!

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緑内障患者が服用すると重篤な副作用が起こる薬が(shutterstock.com)

 内科で風邪薬をもらう時に、「緑内障はありませんか?」と聞かれたことはありませんか? 同様に、以下のような話を、患者さんから聞くことがあります。

 薬局で「あなたの緑内障はどの様なタイプですか?」と聞かれた。薬局で抗アレルギー薬を購入する時に「緑内障で通院中の方は、服用してもいいか眼科で確認してください」と言われた。家にあった風邪薬を飲もうとしたら「緑内障の方は主治医とご相談ください」と書いてあった。内科で「最近、緑内障があることが分かった」と伝えたら薬を変えられた。内視鏡検査を受ける時に「緑内障で通院している」と言ったら、「内視鏡検査をしてもいいか、眼科で聞いてくるように」と言われた……。さらには、内科などの先生から「○○さんは緑内障で通院中とのことですが、△△という薬を出したいのですが、大丈夫でしょうか?」という問い合わせを受けることがあります。

 薬には、病気の治療目的に沿う「主作用」と、目的に沿わない「副作用」があります。花粉症の時期に抗アレルギー薬を服用すると、鼻水やくしゃみが止まるのが「主作用」、眠くなるのが「副作用」です。

 また、薬には「禁忌」「慎重投与」と言って、ある条件の方には使えないものがあります。ある種の病気を持っている患者さん、ある種の薬を服用している患者さん、乳幼児、妊婦さんなどは使えない薬があります。薬の効能書(説明書)には「妊婦さんには慎重投与」「小児には禁忌」「○○薬との併用は禁忌」などと記載されており、守らないと重篤な副作用が起こる可能性があります。

 初めて受診した病院で、薬のアレルギーや妊娠の有無、過去の病気、治療中の病気などを聞かれるのは、この様な理由があるからです。分かる範囲内で、正確に回答する必要があります。

危険なのは閉塞隅角緑内障

 緑内障の患者さんの禁忌について詳しく解説します。

 緑内障は大きく分けて2つのタイプ、開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障があります。隅角とは目の中の水(房水)の出口のことで、その出口が広いタイプと狭いタイプがあります。薬の効能書には、単に「緑内障」としか記載されていないことが多いようですが、「禁忌」とされるタイプは、閉塞隅角緑内障の場合がほとんどです。

 「緑内障の方は禁忌・慎重投与」とされる薬は、風邪薬・抗うつ薬・抗ヒスタミン薬・心血管薬・消化管鎮痙薬・筋弛緩薬・鎮静催眠薬など多岐にわたります。この様な薬の多くは「抗コリン作用」を有しています。

 閉塞隅角緑内障の患者さんが、抗コリン作用を有する薬を服用した場合、隅角が狭くなります。すると房水が眼内から排出されずに眼内に貯留し、急激に眼圧が上がる。それを放置すると失明の可能性が高い「急性緑内障発作」を起こすことがあります。これが禁忌とされる理由です。開放隅角緑内障ではこのような発作の状態に起こりにくいため、禁忌とはされていません。

 しかし、閉塞隅角緑内障でも眼科でレーザ治療などの治療を受けてコントロールされている場合は、禁忌とならないこともあるので、眼科の担当医に確認が必要です。

 自分を守るためにも、緑内障の治療中の患者さんは、自分がどの様なタイプなのか知っておいた方がいいでしょう。開放隅角なのか、閉塞隅角なのか、風邪薬などは服用してもいいのか、眼科の担当医に確認しておきましょう。そして「開放隅角緑内障なので、他科の投薬に制限はありません」「閉塞隅角緑内障が悪化する可能性があるので、他科で薬をもらう時には申告してくださいと言われています」「閉塞隅角緑内障ですが、現在は他科の投薬に制限はありませんと言われています」などと言えるようにしておくこと。そうすれば、内科など他科の先生も安心して薬を処方できるようになります。

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