40歳以上の20人に1人が緑内障! june/PIXTA(ピクスタ)
40歳になるOLのA子さんは5年前、目のかゆみを訴えてかかりつけの眼科に行った。予診で行なった眼圧や視力の検査では異常はなかったが、詳しく診察をしていくうちに、医師は左目の異常に気付いた。
「緑内障の疑いがあるので眼底検査しましょう」
追加で眼底検査、視野検査を行なった結果、所見通り初期の正常眼圧タイプの緑内障と判明。
「自覚症状がないだけに放置してしまう人もいますが、長年放っておくと失明に至ることもあります。しっかり目薬をさしていかないと10年後にはたいへんなことになりますよ」と医師から釘をさされた。
目のかゆみが気になって診察を受けたら、重大な疾病が見つかったA子さん。以来、定期健診と進行予防の点眼薬はA子さんの生活の一部になっている。
40歳以上の20人に1人!しかも約9割が自覚なし
日本緑内障学会が行った大規模調査(2000、2001年岐阜県多治見市での緑内障疫学調査・通称・多治見スタディ)によると、40歳以上の人口のうち緑内障の有病率は5%、20人に1人ということがわかった。しかも患者の約9割が緑内障と気づいていない潜在患者であるという。
緑内障は、目から入る情報を脳に伝達する「視神経」に何らかの障害が起こり、視野(見える範囲)が狭くなる病気。
目の中には血液の代わりに栄養を運ぶ房水という液体がつねに流れている。この房水の産出量と排出量のバランスが保たれることで眼球の形状は保たれ、ものをしっかり見ることができる。
しかし、何らかの理由で房水が増えたり、排出がうまくいかなかったりすることで目の中の圧力・眼圧が上がってしまうことがあり、これが緑内障の原因であるといわれている。