パスタが“ダイエットの味方”に!?(shutterstock.com)
イタリア料理でおなじみのパスタ(スパゲッティやマカロニ類)。近年では、炭水化物は血糖値の急な上昇を招き、その結果、中性脂肪が蓄積して……。パスタには“ダイエットの敵”という烙印が押され、敬遠している人も少なくない。
とはいえ、老若男女に愛されるパスタに、名誉挽回の報告がもたらされた。適度な摂取を守れば、むしろ「減量」に有効だとする新たな知見が、本場イタリアの学者陣から公表された。
2万人弱ものイタリア人のデータを念入りに分析した結果、適度なパスタの摂取は巷間に浸透する先入観とは違い、「過体重」や「肥満リスクの低下」と関連することが判明したというのだ。
その詳細は7月4日の『Nutrition and Diabetes』(オンライン版)に掲載された。報告の筆頭著者にして疫学・予防医学の専門家、イタリアはポッツィッリにあるIRCCS Istituto Neurologico Mediterraneo NeuromedのGeorge Pounis氏は、次のように語る。
「今回の我々の知見により、個人の嗜好でパスタ料理を楽しむことは正常範囲内のBMIを維持し、ウエスト周囲長を減らし、ウエスト・ヒップ比を改善することにつながる可能性が示されたと考えている」
パスタはダイエットの悪役か!?
そのカギは、「地中海食」との併食性にあるようだ。オリーブ油をふんだんに用いて、穀物や豆類、野菜や果物、鶏肉や魚などを楽しむ地中海料理――。
かねてから、心臓病やがん、あるいはアルツハイマーなどの神経変性疾患のリスクを減少させるという、その効用に関しては複数の研究報告がなされてきた。
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しかし、その地中海エリアでは「主食」とされる肝心なパスタ類の、健康に占める影響度についてはこれまで明らかにされてこなかったのも事実だ。
Pounis氏は再度、こう強調する。「パスタを食べることが体重増加につながることはない。適度の摂取であればむしろその逆であることが、今回の知見で示唆された」