大腸内視鏡検査をさらに受けやすくするための工夫を
大腸内視鏡検査4万件以上無事故の新宿大腸クリニック・後藤利夫院長によると「前処置については、アメリカと日本ではだいぶ事情が違うようです。アメリカでは内視鏡検査の前日に流動食をとるとありますが、日本では低残渣食か野菜や果物をとらないように注意するのみです。
下剤は飲んでもらいますが、一般に太った人は当日の大量の下剤を飲むのは苦ではなく、前日の食事制限が苦痛です。 やせた人は逆に前日の食事制限は苦でなく、当日の下剤が苦痛です。
やせた人、便秘の人で当日の下剤がつらい人は、数日前から肉、卵、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品をとり、野菜や果物、穀類を少なくすると当日の下剤が少なくて済みます」と患者さんのタイプで対応が細かく違うと指摘する。
また、後藤院長は、患者さんの負担をさらに軽くするため独自の検査方法「水浸法」を考案、4月に医師向けの指導書『水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル』(中外医学社)を上梓した。
「大腸がんを予防するには定期的な内視鏡検査が最も効果的。そのためには大腸内視鏡検査をさらに受けやすくするための工夫を続けていきたい」と後藤院長は語る。
検査前に何を食べるかも重要なのだろうが、こうした患者個々への対応や術式の改良など、患者目線の研究に期待したい。
(文=編集部)