連載「死の真実が“生”を処方する」第26回

アナフィラキシーショックの原因が「薬」という皮肉~5分以内の処置が命を左右

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紀元前からあるスズメバチでの死亡(shutterstock.com)

 スズメバチに刺されて死亡したというニュースを耳にしたことがあると思います。非常に重篤なアレルギー反応によって起こり、「アナフィラキシーショック」と呼ばれています。

 アナフィラキシーショックの記録は古くからあり、紀元前にエジプトの王様が一匹の蜂に刺され亡くなったことが記された象形文字もあるそうです。

 アレルギーとは、「抗原-抗体」反応によって、人に有害な作用をもたらすことをいいます。

 アレルギーにはいくつかのタイプがあります。アレルギー性鼻炎花粉症じんましん気管支喘息……。そしてアナフィラキシーショックも同じタイプのアレルギーです。

 ちなみに近年、アレルギー性疾患は増加傾向にあります。例えば、アレルギー性鼻炎を例に取り上げると、昭和63(1988)年には、有病率(どれくらいの人が罹患しているか)が29.8%でしたが、20年後の平成20(2008)年には39.4%に増加しています。

 ですから、何らかのアレルギーを持っている人は、国民の大半であることになります。その背景には、生活環境の変化、食生活の変化、大気汚染の問題など、様々な要因があるようです。

発症から5分以内の救急処置が生命を左右する

 アレルギーの中でもアナフィラキシ―ショックは、命が危険にさらされる重篤な病態です。体内に取り込まれた物質による抗原-抗体反応か起こると、細胞から様々な物質が遊離されます。

 その物質によって血管が過度に拡張され、血管の外に重要な液体が漏れ、全身がむくみ、そして呼吸や循環に障害が現われるのです。

 つまり、ある物質が体内に取り込まれると、皮膚のかゆみやじんましんが出て、気持ちが悪くなり、くしゃみが出ます。そして、声がかすれはじめ、徐々に息苦しくなります。さらに、血圧が徐々に低下して、適切な処置を施さないと死に至ることもあるのです。

 アナフィラキシーショックは発症してから5分以内の救急処置が生命を左右します。アドレナリンという薬がありますが、これを筋肉内に注射すれば助けることができます。現在は、持ち運びできるアドレナリンの小さな自己注射があります。

 過去に、ある物質に対してアナフィラキシーショックを起こしたことがある人は、医師から処方されているかもしれません。

一杉正仁(ひとすぎ・まさひと)

滋賀医科大学社会医学講座(法医学)教授、京都府立医科大学客員教授、東京都市大学客員教授。厚生労働省死体解剖資格認定医、日本法医学会指導医・認定医、専門は外因死の予防医学、交通外傷分析、血栓症突然死の病態解析。東京慈恵会医科大学卒業後、内科医として研修。東京慈恵会医科大学大学院医学研究科博士課程(社会医学系法医学)を修了。獨協医科大学法医学講座准教授などを経て現職。1999~2014年、警視庁嘱託警察医、栃木県警察本部嘱託警察医として、数多くの司法解剖や死因究明に携わる。日本交通科学学会(副会長)、日本法医学会、日本犯罪学会(ともに評議員)、日本バイオレオロジー学会(理事)、日本医学英語教育学会(副理事長)など。

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テストステロン(男性ホルモン)の存在に着眼し、AGA(男性型脱毛症)治療、男性皮膚治療、男性更年期、前立腺がんのサポート、男性不妊など、男性の外見や内面の健康に関わる様々な治療を独自の視点から行うメンズヘルスクリニック東京(東京・丸ノ内)の小林一広院長。第3回目は「男性妊活・男性力」について。
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