連載「恐ろしい危険ドラッグ中毒」第18回

危険ドラッグは下火になったが、依存者の治療・ケアが深刻な課題として残る

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精神神経科と内科の共同治療が可能な施設が不足している

 清原容疑者は重度の糖尿病を抱えており、まず糖尿病内科での治療を優先し、その後、覚醒剤依存症の専門的治療に委ね、他の病院や施設に移るる予定である。危険ドラッグ依存症患者も、肝臓、腎臓、心臓などの臓器障害を併発している症例が多く、精神科的のみならず内科的にも長期間の粘り強い治療やケアが必要であるケースが多い。

 これらの患者を専門的に受け入れる、精神神経科と内科の共同治療が可能な施設が、依然として少ないことが、今後の大きな課題である。また、退院後、社会復帰を目指すためのアフターケアを担当する専門家および施設も不十分である。今後、行政や医療機関、日本中毒学会などによる徹底した対応と整備の確立が強く望まれる。

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横山隆(よこやま・たかし)

小笠原記念札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認定クリニカルトキシコロジスト、日本腎臓学会および日本透析学会専門医、指導医。
1977年、札幌医科大学卒、青森県立病院、国立西札幌病院、東京女子医科大学腎臓病総合医療センター助手、札幌徳洲会病院腎臓内科部長、札幌東徳洲会病院腎臓内科・血液浄化センター長などを経て、2014年より札幌中央病院腎臓内科・透析センター長などをへて現職。
専門領域:急性薬物中毒患者の治療特に急性血液浄化療法、透析療法および急性、慢性腎臓病患者の治療。
所属学会:日本中毒学会、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本内科学会、日本小児科学会、日本アフェレシス学会、日本急性血液浄化学会、国際腎臓学会、米国腎臓学会、欧州透析移植学会など。

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