尿の薬物検査で発覚した清原和博の薬物依存〜使用履歴がすべて暴露される検査とは?

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写真はOFFICE KIYOHARA OFFICIAL WEB SITEより

 2月2日、警視庁は、元プロ野球選手の清原和博容疑者(48)を覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕した。東京警察病院で清原容疑者から採尿し、鑑定したところ、覚せい剤の陽性反応を確認。逮捕直前の1週間以内に覚せい剤を摂取したと判断した。覚せい剤の陽性反応を調べるのが、薬物検査だ。清原容疑者の尿に残留した覚せい剤は、どのように鑑定されたのか。

覚せい剤は、尿に3〜5日、血液に1〜3日、毛髪に90日〜1年も残留する

 薬物は、覚せい剤(アンフェタミン、メタンフェタミン、エフェドリン)、大麻、あへん、麻薬(モルヒネ、ヘロイン、コカイン、LSD、MDMA)、危険ドラッグ(脱法ハーブ)、向精神薬(トリアゾラム、フルニトラゼパム、ニトラゼパム)などに分類される。

 それぞれの薬物の残留期間は、アンフェタミンやメタンフェタミンなら、尿に3~5日、血液に1〜3日、毛髪に90日〜1年だが、個人差がある。清原容疑者の使用した覚せい剤は判明していない。また、血液や毛髪の検査が行なわれたかどうかも定かでない。

 だが、覚せい剤の使用は、尿検査で確認されることが非常に多い。覚せい剤は、エタノールやクロロホルムなどの有機溶媒に溶けやすいので、尿から抽出できる。抽出した薬物をGC(ガスクロマトグラフィー質量分析計)やGC/MS(ジーシー・マス)で分析すれば、覚せい剤の成分を特定できるのだ。

 覚せい剤が尿から検出されるまでを時系列で追ってみよう。アンフェタミンを摂取後、2〜3時間で尿中への排泄が始まる。10〜12時間でアンフェタミンが最高濃度になる。以後、数日間に渡って尿中に検出される。

 ただし、メタンフェタミンの場合は、摂取後4日間でおよそ90%が排出されるため、最長でも摂取後10日以内に検査しなければならない。清原容疑者の尿からや覚せい剤の成分が検出されたことから、逮捕の数日以内に摂取していた可能性が高い。

 薬物検査は、尿検査のほかに毛髪検査もある。毛髪検査は、覚せい剤の使用から日数が経過したために、尿から反応がない場合に行なわれる。エタノールやクロロホルムなどの有機溶媒を用いて成分を抽出する。検出量は、毛髪1mg当たり10億分の1g〜1兆分の1gの微量だが、GCやGC/MSを使えば、高精度の鑑定が行える。

 また、毛髪の寿命は3〜6年なので、過去6年の薬物の使用履歴がすべて分かる。つまり、いつから使い始め、いつまで使っていたかも推定できる。毛髪以外の陰毛、胸毛、脇毛などからも検査ができる。

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