連載「恐ろしい危険ドラッグ中毒」第17回

もしかして清原も!? 危険ドラッグの取締強化で「覚せい剤」などに手を出す逆転現象も

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危険ドラッグの取締強化による逆転現象!?(shutterstock.com)

 元プロ野球のスター選手だった清原和博をはじめとする多くの有名芸能人、そして地方議会の議員に至るまで、各階層での覚せい剤常用者に関する報道が後を絶たない。また、NHKのアナウンサーが自宅マンションで危険ドラッグを製造したとして逮捕・起訴されたという報道もあった。

 危険ドラッグは、化学構造式の一部を変更した類似物質が次から次へと考案・製造されることにより、法の網を潜り抜けてきた。そして、多数の新製品が登場し、新たな中毒患者を生み出す、いわゆる「いたちごっこ」が繰り返されていた。

 しかし近年、「麻薬及び向精神薬取締法」や「薬事法」での指定薬物の認定、類似した化学構造式を有するドラッグに対する包括規制の強化、国家や地方自治体の危険ドラッグに関する注意喚起を促す啓蒙活動の充実、そして、インターネットやマスコミを介した警鐘などが徹底されたことにより、危険ドラッグ販売店は激減し、それに伴い摘発患者も減少してきた。

 とはいっても、長期常用患者では重篤な依存症に陥り、身体的・精神的に著しく荒廃し、精神科専門病院や各種更生施設での長期治療・療養を余儀なくされている症例も依然として多く認める。

 幸いにも危険ドラッグは、以前のように街中やインターネットを通じて手軽に入手できる機会は確実に減少したが、覚せい剤や麻薬に関しては、今後増加するものと思われる。

横山隆(よこやま・たかし)

日本中毒学会評議員(同学会クリニカルトキシコロジスト)、日本腎臓学会および日本透析学会専門医、指導医。1977年、札幌医科大学卒、青森県立病院、国立西札幌病院、東京女子医科大学腎臓病総合医療センター助手、札幌徳洲会病院腎臓内科部長、札幌東徳洲会病院腎臓内科・血液浄化センター長などを経て、2014年より札幌中央病院腎臓内科・透析センター長。2015年8月に同病院退職。
専門領域:急性薬物中毒患者の治療特に急性血液浄化療法、透析療法および急性、慢性腎臓病患者の治療。
所属学会:日本中毒学会、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本内科学会、日本小児科学会、日本アフェレシス学会、日本急性血液浄化学会、国際腎臓学会、米国腎臓学会、欧州透析移植学会など。

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