危険ドラッグの取締強化による逆転現象!?(shutterstock.com)
元プロ野球のスター選手だった清原和博をはじめとする多くの有名芸能人、そして地方議会の議員に至るまで、各階層での覚せい剤常用者に関する報道が後を絶たない。また、NHKのアナウンサーが自宅マンションで危険ドラッグを製造したとして逮捕・起訴されたという報道もあった。
危険ドラッグは、化学構造式の一部を変更した類似物質が次から次へと考案・製造されることにより、法の網を潜り抜けてきた。そして、多数の新製品が登場し、新たな中毒患者を生み出す、いわゆる「いたちごっこ」が繰り返されていた。
しかし近年、「麻薬及び向精神薬取締法」や「薬事法」での指定薬物の認定、類似した化学構造式を有するドラッグに対する包括規制の強化、国家や地方自治体の危険ドラッグに関する注意喚起を促す啓蒙活動の充実、そして、インターネットやマスコミを介した警鐘などが徹底されたことにより、危険ドラッグ販売店は激減し、それに伴い摘発患者も減少してきた。
とはいっても、長期常用患者では重篤な依存症に陥り、身体的・精神的に著しく荒廃し、精神科専門病院や各種更生施設での長期治療・療養を余儀なくされている症例も依然として多く認める。
幸いにも危険ドラッグは、以前のように街中やインターネットを通じて手軽に入手できる機会は確実に減少したが、覚せい剤や麻薬に関しては、今後増加するものと思われる。