
歯科恐怖症(デンタルフォビア)は大人にも多い(shutterstock.com)
キーンという歯を削るドリルの音、歯を削られることで生じる痛み、仰向け状態で長時間口を開け続けるという治療の体勢、見ることのできない治療の様子、不安にさせる歯科医のマスク姿……。
歯科に対してのマイナスイメージを挙げるときりがない。事実、歯科というものに対し、個人差はあれど、恐怖感を持っている人は多いのではないだろうか。
そうした恐怖感が極端になり、歯の治療が困難になってしまった状態のことを歯科恐怖症(デンタルフォビア)と呼ぶ。
歯科恐怖症(デンタルフォビア)の症状とは?
歯科恐怖症に陥ると、歯医者に行くことを想像しただけで不安になったり、息が苦しくなるなど体が反応したりする。ひどい場合には、口の中に手を入れられることを嫌がって、激しく嘔吐してしまうことすらある。そのため、歯の治療が必要な状態になっても、受診になかなか踏み切れず、虫歯や歯周病といった症状が悪化してしまうのだ。
むかしの歯科医院の待合室には、泣きじゃくる子どもが珍しくなかった。当時は、死ぬほど痛い歯医者が珍しくなかったのだ。いま歯科恐怖症を患っている大人の多くは、そうした子ども時代の歯科治療がトラウマとなり、その後、歯医者に行くのが苦手になった人たちなのだろう。