連載「乳酸菌で腸内環境を改善、がんも予防!」第7回

プロバイオティクスとしての「乳酸菌」を上手に健康に生かすためのコツは?

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効果をはかるためには2週間様子をみる

 プロバイオティクスとしてのヨーグルトは、薬ではなく、あくまでも食品だ。そのため、即効性はそれほど期待できない。また、薬のように症状をもたらした原因をとり除くこともできない。しかし、副作用もほとんどなく、徐々に体質を改善して病気になりにくい体をつくってくれる。体質改善を期待するためには、ある程度時間をかけて様子をみる必要がある。そのためには、食べてみて特に問題がなければ、2週間くらいは続けていきたい。

 また、最近、市販のヨーグルトも目的に合わせて使用する乳酸菌を変えるなどして、いろいろな商品が開発されている。たとえば、雪印メグミルクが見出したガセリ菌SP株は便秘の予防や免疫力強化、コレステロール値を下げるなどの働きがある。

 人の腸内環境は一人ひとり違うので、本来なら自分に最も合ったヨーグルトを食べるのが理想だ。自分に合っているかどうか見極めるにも、やはりある程度の期間、食べてみて便の様子を観察したり、体調をみるとよいだろう。自分に合っているのではないかと思われる、あるいは目的に合わせたヨーグルトからまずは気軽に試してみよう。

 ただし、いくらヨーグルトは副作用もなく健康によいとはいえ、食べれば食べるほどよいというものではない。食べ過ぎて食事に影響したりしたら、本末転倒になる。また、いくら低カロリーとはいえ、カロリーのとりすぎは問題だ。

 目安としては、1日100~400gくらいが適量だろう。肥満や高脂血症の傾向がある人は、特に食べ過ぎに注意し、低カロリー、低脂肪のものをとるように心がけたい。

 なお、料理にヨーグルトを使う場合、熱を加えると栄養価は変わらないものの、乳酸菌は死んでしまうのでその点は注意しよう。

連載「乳酸菌で腸内環境を改善、がんも予防!」バックナンバー

後藤利夫(ごとう・としお)

新宿大腸クリニック院長。1988年、東京大学医学部卒業。92年、東京大学附属病院内科助手。「大腸がん撲滅」を目標に独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法を開発。大腸内視鏡40000件以上無事故の大腸内視鏡のマイスター医師。一般社団法人・食と健康協会顧問。著作に『あなたの知らない乳酸菌力』(小学館)、『その便秘こそ大腸ガンの黄信号』(祥伝社)、『腸イキイキ健康法』(主婦と生活社)、『腸をきれいにする特効法101』(主婦と生活社)、『腸いきいき健康ジュース』など多数。大腸がんのインターネット無料相談も実施中。
新宿大腸クリニック
公式HP http://www.daicho-clinic.com

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