“見栄え”の鍛えすぎは別の危険性も~腰痛・肩こり対策には「インナーマッスル」で

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鍛えるべき筋肉は?(shutterstock.com)

 「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」を鍛えると姿勢が綺麗になり、腰痛や肩こりに効果がある――。某情報番組で、背筋の一部で姿勢を保持する働きをする脊柱起立筋が弱ると、腰痛肩こりを招くと放送された。番組ではトレーニング方法も紹介されていたが、そのまま鵜呑みにしてしまうと違う危険性が生じることも知っておきたい。

 背中に位置する脊柱起立筋はアウターマッスルに分類され、その名の通り体の外側に存在し、体の動きを司る。私たちが俗に言う「筋トレ」をして鍛えているのは、この動きを出す筋肉=アウターマッスルをターゲットにしていることがほとんど。体の外側にある筋肉なので、鍛えると見栄えもよくなるし、力も出やすくなる。

 今回の「脊柱起立筋を鍛えて腰痛や肩こりをなくそう」というのは、猫背を解消して姿勢をよくし、腰痛などをなくす、という意図があったと思われる。

 しかしながら、アウターマッスルばかりを過度に鍛えてしまうと、逆に腰痛を生じてしまう危険性がある。

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図1

 背骨(脊柱)は、一つの骨で構成されているわけでなく、椎骨(頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙骨1個)が積み木のように積み上がって構成されている。そのおかげで私たちは体を曲げたり反らしたり回したり、ある程度自由自在に動かすことが可能になる。

 つまり、一つ一つが小さな関節であり、多数の関節によって背骨は構成されている。その積み上がっている背骨に上から下へと全体についているのが脊柱起立筋である(図1)。

 しかし、その脊柱起立筋は背骨の一つ一つについているわけではなくロープのようにくっついている。一方、背骨の一つ一つについている筋肉があり、それはインナーマッスルと呼ばれる。代表的な筋肉は、多裂筋と呼ばれる小さな筋肉である。

 これはインナーマッスルなので、外から認識するのは難しい(筋肉は何層にも重なっており、インナーマッスルは深層にあることが多い)。この筋肉が正常に働くからこそ、私たちは背骨の一つ一つを絶妙にコントロールしながら、背中を曲げたり反らしたりできるのだ。

大きな筋肉を鍛えるよりも小さい筋肉を適切に働かせること

三木貴弘(みき・たかひろ)

理学療法士。日本で理学療法士として勤務した後、豪・Curtin大学に留学。オーストラリアで最新の理学療法を学ぶ。2014年に帰国。現在はクリニック(東京都)に理学療法士として勤務。一般の人に対して、正しい医療知識をわかりやすく伝えるために執筆活動にも力を入れている。

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