“見栄え”の鍛えすぎは別の危険性も~腰痛・肩こり対策には「インナーマッスル」で

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 ではこの筋肉が働かないとどうなるのか? 背骨の一つ一つの細かな動きが失われてしまい、背中がひと塊りのように動いてしまう。そうするとコントロールが失われ、細かい動きができないだけではなく、椎骨と椎骨の間でずれを生じてしまい、腰痛を起こしてしまう。これがいわゆるぎっくり腰である。

 ぎっくり腰は大抵の場合、腰を屈めるなどして動いた時にインナーマッスルが働かず背骨がずれてしまうことで、そこにある組織が挟み込まれてしまい、痛みを感じる(もちろんすべての原因がそれとは限らない)。

 脊柱起立筋は綺麗な姿勢や猫背を改善するのに確かに効果的である。しかし、見た目の筋肉ばかりを鍛えてしまうと、細かい動きが失われて怪我をする可能性が高まる。腰痛を防ぐためには大きな筋肉を鍛えるよりも小さい筋肉を適切に働かせることが大事なのだ。

 ボディービルダーのような筋肉質な人でも腰痛を起こすのが良い例である。大きな力は必要ない。安定させることが大事である。

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図2

 その多裂筋の鍛え方にはいろいろな方法があるが、いちばん簡単なのは、四つ這いになり手を足を対角線上に伸ばすエクササイズだ(右手を前に伸ばした場合、左足を伸ばす)。その状態で30秒ほど動かないでキープする。これを数セット行う(図2)。この「動かないように」することが多裂筋を使っていることになる。

 インナーマッスルは体を動かす筋肉ではなく、体を安定させる大事な筋肉である。それは外からは見えにくい筋肉であるために、ついつい軽視されてしまう。見えない筋肉だからこそ大事なのだ。
(文=編集部、監修=三木貴弘)

三木貴弘(みき・たかひろ)

理学療法士。日本で数年勤務した後、豪・Curtin大学に留学。オーストラリアで最新の理学療法を学ぶ。2014年に帰国。現在は、医療機関(札幌市)にて理学療法士として勤務。一般の人に対して、正しい医療知識をわかりやすく伝えるために執筆活動にも力を入れている。お問い合わせ、執筆依頼はcontact.mikitaka@gmail.comまで。

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三木貴弘
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