スペインで発売された「ベイビイポット(Babypod)」(写真はhttp://www.babymoon.esより)
子どもの早期教育が過熱している。幼いうちから脳を刺激して知能指数を高めようというのがその趣旨だが、それは早ければ早いほどいいというのがトレンドだ。「3歳児から始めよう」「いや3歳児では遅すぎる」とエスカレートし、ついには、胎児の教育「胎教」にまで発展。そして、ついに驚くべく胎教グッズが発売された。
それは、「タンポン型」スピーカー。つまり、妊婦さんの膣に入れるスピーカーだ。スペインで発売された「ベイビイポット(Babypod)」と呼ばれるスピーカーは、1セットで150ユーロ(約1万9000円)。妊婦さんは、このスピーカーをiPhoneなどとコードでつなぎ、膣内に挿入する。
スペインの産婦人科病院インスティトゥト・マルケスは、この装置を使って実験を行い、「胎児が音楽に反応するのは、定説よりも10週間早い16週目から。しかし、これは子宮内で直接音楽を聴かせた場合である」と研究成果を発表している。
また、この装置を使った実験によると、87%の胎児が口を開けて舌を出したり、頭を動かしたりするなど、音楽に反応したという。これは胎児に音楽が鮮明に聞こえ、脳神経の発達が高まっているからだと研究チームは考えている。
妊婦さんがリラックスできればOK
胎児は妊娠5~7カ月目ぐらいから音がわかるようになると言われており、胎教もその頃から始めることが多いようだ。具体的には、妊婦さんがお腹の赤ちゃんに楽しく話しかける、絵本を読み聞かせる、妊婦さんが音楽を聴いたり歌ったりして気持ちを穏やかにする、お腹をポンポンとたたいて赤ちゃんとコミュニケーションをとるなどの胎教が行われている。
そのためのCDや絵本なども発売されており、お腹の表面に装着するスピーカーも商品化され購入できる。このスピーカーを膣内に入れてしまうというのが、今回スペインで発売された胎教グッズだ。
胎教が脳の発達をうながすかどうかは、まだ科学的に解明されてはいない。しかし、専門家の多くは、胎教そのものを否定はせず、赤ちゃんに話しかけたり、絵本を読んだりすることで、妊婦さんが「ママになる気持ちの準備」ができればよいとしている。また、音楽を聴いて妊婦さんがリラックスできるなら、イライラしているよりも胎児にはよいだろうともとらえている。