連載「死の真実が“生”を処方する」第21回

学校での死傷を防ぎ安全な学校をつくる「インターナショナルセーフスクール」とは?

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学校は安全か?(shutterstock.com)

 学校は、安全性を保つための取り組みをしています。それでも事件・事故、災害などが起こることがあります。学校の安全をどうやって確保すればよいのでしようか? 学校の危機管理策について考えます。

 皆さんのご記憶にあると思いますが、決して忘れてはならない事件です。平成13(2001)年6月8日に、包丁を手にした犯人(すでに死刑が執行)が、大阪教育大学附属池田小学校に侵入しました。小学生を狙って無差別に殺傷し、8人が死亡、15人が負傷しました。

 単独犯で8人を殺害することは、日本の犯罪史上でも稀です。安全や安心が担保されている学校でこのような事件が起き、改めて危機管理の重要性が叫ばれました。

 学校が安全であることは、古くから当たり前のことだと思っていました。法律でも、昭和33年に制定された学校保健安全法の26条に次のように明記されています。

 「学校の設置者は、児童生徒等の安全の確保を図るため、その設置する学校において、事故、加害行為、災害等により児童生徒等に生ずる危険を防止し、及び事故等により児童生徒等に危険又は危害が現に生じた場合において適切に対処することができるよう、当該学校の施設及び設備並びに管理運営体制の整備充実その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする」

 したがって、あらゆる状況を想定した上での危機管理が求められているのです。前記の事件があった際、当該小学校では、不審者等への対策がとられていませんでした。銃社会と言われている米国では、銃乱射事件などに備えて以前から自主的な危機管理が行われていました。

 当時、わが国の多くの人は、安全と思われていた学校で無差別殺傷事件が起こることを想定してなかったかもしれません。しかし、上記条文の下では、これは言い訳にしかなりません。事件のみならず事故や自然災害を想定した安全確保への対策が求められていたのです。

学校関係の死傷者

 事件だけでなく事故や災害にも目を向けましょう。学校での活動に関して負傷や疾病が発生した際には、日本スポーツ振興センターによる災害共済給付を受けることができます。その人数は全国でl13万人(平成22年)であり、うち74人が死亡していました。また、児童生徒の交通事故負傷者数は約8万人、死亡者は150~160人です。

 日頃から多くの児童生徒が危険な状態に遭っているのですから、その現状を正確に把握し、予防対策を講じる必要があるのです。残念ながら、大きな事件や事故が起きると急速に対策が進むのですが、何かが起こってからではなく、平素からの絶え間ない取り組みを望みます。

 平成7年の阪神・淡路大震災以降、学校施設の耐震化が徐々に進みました。東日本大震災の前年(平成22年)には、公立小中学校施設における耐震化は73.3%で、8年前の44.5%より明らかに増加しました。また、池田小学校の事件以降には安全対策が進み、文部科学省が全国の学校で行った調査では、平成22年において、防犯監視システムの整備率が76.2%、通報システムの整備率が94.2%、安全を守るための器具の整備率が88.2%でした。これで学校の安全対策は進んだかと思われました。

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