今後のさらなる調査研究と原因の解明が必要ではあるものの、「テレビの見すぎ」と「身体活動レベルの低さ」というリスクが、中高年期の認知機能低下と老化防止のための指標となる可能性が示されたことになる。
アメリカでは、いまだにテレビ視聴が家庭における最大の娯楽といわれている。2014年3月の『ニューヨーク デイリーニュース』によれば、アメリカの25〜34歳の若者層は週に平均27時間36分、テレビを視聴しているという。これは1日当たり平均4時間に迫る数字だ。
ちなみに、NHK放送文化研究所の「2010年国民生活時間調査」によると、10歳以上の国民のテレビの平均視聴時間は平日で3時間28分、土曜日で3時間44分、日曜日で4時間9分だ。
高齢者が全体を大きく引き上げているが、ゆうに3時間は超えている。20代、30代では、男女とも平日は平均2時間前後だが、日曜日になると30代で平均3時間を超える。今回の研究結果は、決して海の向こうの他人事ではない。
将来の認知症になるリスクを軽減するには、子どものころに「テレビは1日○時間まで」と躾けられたルールを思い出すときかもしれない。特に20〜30代は、テレビだけでなくスーマートフォンやタブレット端末から離れて、意識的に身体的な活動時間を少しでも増やすことに努めるべきだ。
(文=編集部)