実験に用いられた「5-hour ENERGY」(HPより)
あなたは「5-hour ENERGY」をご存知だろうか? アメリカで発売されている栄養ドリンクで、数年前に健康被害が報道されたこともある。いわゆるエナジードリンクと呼ばれるもので、巷では「2本飲むとヤバイ」と危険視されるほど強力なパワーがあるという。
この話題の栄養ドリンク「5-hour ENERGY」を使って、カナダ・カルガリー大学の研究チームが、カフェインの研究を行った。コーヒー1杯に含まれるカフェインは40〜180mg、日本でも人気の清涼飲料水「レッドブル」は250㎖で80 mg。「5-hour ENERGY」は、通常ボトルの57㎖で、208mgものカフェインを含んでいる。
研究チームは、13〜19歳の若者20人を2つのグループに分け、ひとつのグループにはカフェインを抜いた「5-hour ENERGY」を、もうひとつのグループにはカフェイン入りを摂取してもらった。そして、摂取後40分たったところで、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を実施。血糖値およびインスリン抵抗性を測定した。
すると、カフェイン入りの栄養ドリンクを飲んだチームは、カフェイン抜きに比べて血糖値が24.6%、インスリン値が26.4%上昇したのである。ちなみに、「5-hour ENERGY」は無糖だ。
カルガリー大学糖尿病研究所のJane Shearer准教授は、「血糖値やインスリンが上昇したのは、栄養ドリンクのカフェインが原因だと考えられる。カフェインの血中半減期(血液中の濃度が半分に減る時間)が4~6時間なので、血糖値やインスリンが上昇した状態は、かなり長い時間続くと考えられる」とコメントしている。