血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことで、高すぎても低すぎてもよくない。食事をすると高くなり空腹では低くなるが、膵臓から分泌されるインスリンの働きによって一定量に保たれている。
このインスリンが作られない病気が1型糖尿病で、糖尿病患者に占める割合は10%程度である。糖尿病にはもうひとつ2型があり、インスリンは作られるが量が十分でないか、インスリンの働きが追いつかない場合で、糖尿病のほとんどはこのタイプだ。
今回のカナダの実験では、インスリン分泌が始まったのちも血糖値が下がらなかった点に問題があるという。インスリンが効かないため、身体はもっとインスリンを生産しなければならない状態になっていて、これは2型糖尿病への第一歩といえるのだそうだ。
長期的に大量のカフェインをとることが、将来の2型糖尿病発症へとつながることが懸念されるという。
ただ、カフェインが血糖値に及ぼすメカニズムはまだわかっていない。カフェインがインスリンの働きを妨げているのかもしれないし、反対の働きをするアドレナリンの分泌を促している可能性もある。
カフェインが眠気覚ましや疲労回復に効果のあることから、お茶やコーヒーを飲む習慣は昔から広まった。栄養ドリンクには大抵カフェインが含まれるが、過剰な摂取は今回のようなリスクがあることを踏まえて利用すべきだろう。
(文=編集部)