連載「乳酸菌で腸内環境を改善、がんも予防!」第4回

日本人の「腸内環境」は悪化している! 原因は食生活の変化や過激なダイエット

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 若くても腸内環境が悪くなる原因として、現代日本人の食生活や運動不足、ストレスなどの要因が考えられる。中でも問題なのが、食生活の変化だ。

 腸内環境は、食べたものに大きく左右される。以前にも述べたが、腸の状態をよくするためには、善玉菌の好む野菜や穀類、豆、海藻などに多く含まれる食物繊維を豊富にとることが必要となる。

 しかし、1955年ころまでの日本の食生活は、食物繊維が豊富な生活をしていたものの、最近では食物繊維の摂取は年々減る傾向にある。厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2010年版)では、食物繊維の1日あたりの目標量を成人男性は19g、成人女性は17gに設定しているが、実際は15g程度しか摂取できていない。

 一方、高脂肪食は悪玉菌を増やし、善玉菌が減るという研究報告がある。脂肪をとりすぎると、肝臓で作られる胆汁酸が多く分泌され、腸内細菌によって変換された二次胆汁酸によって大腸がんが発生したり、腸内の善玉菌を殺すなどして、腸内環境の悪化が進む。食物繊維たっぷりで、低脂肪食。欧米風の食生活が浸透しつつある日本。かつての和食のような食生活が腸内環境を整えるためには理想的といえる。

 もちろん、カロリーのとりすぎにも注意したい。人間は20歳を過ぎると年齢とともに基礎代謝量は減少していく。年を経ていつまでたっても同じような食生活をしていると、カロリーのとりすぎとなる。そのうえ、善玉菌は減り、悪玉菌が増えてくるのだからカロリーをとりすぎると、消化・吸収できない分が大腸に届いて、悪玉菌のエサをふやしているようなもの。年齢とともに、食事の内容や摂取量を変化させていかねばならない。

 一方、過激なダイエットも腸内環境を悪くする一因となる。食べる量が減るために、食物繊維の摂取量も減り、便がつくれず、便秘となる。そのうえ、腸内細菌そのものが減ってしまい、乳酸菌などの善玉菌も減ってしまう。

 ダイエットをするときは、極端に食事量を減らすことは避け、食事には食物繊維やヨーグルトなど乳酸菌をたっぷり含むものをとりいれて、腸内環境を整えるようにしていきたい。

連載「乳酸菌で腸内環境を改善、がんも予防!」バックナンバー

後藤利夫(ごとう・としお)

新宿大腸クリニック院長。1988年、東京大学医学部卒業。92年、東京大学附属病院内科助手。「大腸がん撲滅」を目標に独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法を開発。大腸内視鏡40000件以上無事故の大腸内視鏡のマイスター医師。一般社団法人・食と健康協会顧問。著作に『あなたの知らない乳酸菌力』(小学館)、『その便秘こそ大腸ガンの黄信号』(祥伝社)、『腸イキイキ健康法』(主婦と生活社)、『腸をきれいにする特効法101』(主婦と生活社)、『腸いきいき健康ジュース』など多数。大腸がんのインターネット無料相談も実施中。
新宿大腸クリニック
公式HP http://www.daicho-clinic.com

後藤利夫の記事一覧

後藤利夫
難治性むちうち症からなぜ多くの不定愁訴がおきてしまうのか?
難治性のむちうち症を改善 後編 東京脳神経センター 整形外科・脊椎外科部長 川口浩医師

前編『画像診断できない難治性のむちうち症を独自の治療法で改善』

原因不明で治療法がなく多くの患者さんが回復をあきらめていた難治性のむちうち症。東京脳神経センターで進む独自の治療で、めまい、動機、吐き気などの全身症状やうつ症状などの不定愁訴が大幅に改善しているという。その具体的な成果についてお話を伺った。

nobiletin_amino_plus_bannar_300.jpg
Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

一般社団法人日本薬業研修センター漢方講座執筆・編…

笹尾真波

新宿大腸クリニック院長。1988年、東京大学医学…

後藤利夫

小笠原記念札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認定クリ…

横山隆