同様に筋肉量が増える機構も、高齢になっても変わらず働きます。
85~97歳の高齢者に対し高強度の筋肉トレーニングを行った結果、筋肥大が認められたという報告があります。また、若年者と高齢者のトレーニング効果に差がないとも報告されています。筋肉を肥大させるのに必要な要素はさまざなですが、十分なタンパク質摂取や原理原則に基づいたトレーニングなどによって、年齢に関係なく筋繊維は太くすることが可能です。
ただし、高齢者の場合、高強度のトレーニングに適応できない方も多くなります。身体的な制限を持つことでトレーニングの効果が充分に得られないことが予測できるからです。
また、筋肉量は加齢に伴い減少していくという「サルコペニア現象」が同時に存在します。筋肉量は一般的に30歳を過ぎたころから徐々に減少します。トレーニングを継続して肥大するペースと、衰えるペースが仮に一緒だったとすると、筋量は増加ではなく維持という理屈になります。
ちなみに、筋肉の柔軟性も同様です。適切なストレッチを正しく行えば、何歳になっても、誰でも、筋肉の柔軟性は高まります。ところが、筋肉は使われないと変形する力が弱まり、腱や靭帯などの拘縮も相まって、関節が硬くなっていきます。
身体が思うように動くうちに「貯筋」すること
筋肉量、体脂肪量、柔軟性、いずれも何歳になっても身体を変えることは理論的に可能です。しかし、身体を変えようとスタートするときの状態によって、確実に結果が出せるかどうか、また、結果が出たとしても、それまでの道のりは異なります。
活動量が落ちて身体を動かす機会が少ない場合、関節が傷みやすい状態かもしれません。関節の可動域が小さい場合、トレーニングやストレッチに十分耐えられない硬さに陥っているかもしれません。食事制限により体脂肪が落ちて行っても、筋肉量を増やす、または維持する間もなく、先に体力を低下させてしまうかもしれません。
だからこそ、身体が思うように動くうちに、こつこつ「貯筋」することが大切です。あって損するものではないので、筋肉をつけるための運動をしておくことがオススメです。高強度のトレーニングの結果、筋肉をつけるだけでなく、柔軟性を高めることも、関節を守る強さを保つことも、食事制限をして体脂肪を落とすことに耐えられる身体をつくることも可能で、効果的に肉体改造できるのです。
生島さんは既に立派な筋肉を体脂肪の下に隠し持っていたようです。高校時代から始めた空手は「芸能界最強」とも言われるほどの達人で、最近もキックボクシングジムなどにも通われていたようです。身体づくりには、ずっと意識しておられたのですね。
いつなんどきでも身体は変えられます。それを成功に導くための基礎固めは今からでも遅くはありません!