連載第3回 -5歳を実現する、50歳からのエクササイズ

宮根誠司さんも肉体改造に成功 50代の"ユル腹"が変わる

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 アナウンサーの宮根誠司さん(51歳)が、たった4カ月で見事に肉体改造を成功させました。体重66kgから59kgに減量し、盛り上がった胸筋に6つに割れた腹筋――。

 2014年4月、テレビ番組『情報ライブ ミヤネ屋』のなかで、EXILEのHIROさん(45歳)に憧れて肉体改造を宣言したのが発端でした。

 宮根さんはまず、「太っている人でも、手はよく動かすから手の甲は太ってない。胸も腹も動かせばやせると意識して、自分の脳をだました」といいます。「鍛える筋肉と会話するイメージで」「食事制限なし」「無理しない」「家事も筋トレをイメージ」を心がけて腹筋や腕立て伏せ、ダンベル運動。多忙な生活の合間に「腹式呼吸」を行い、意識して腹筋群を鍛えたそうです。

 誰もが同じように成果を出せるとは限りませんが、「筋肉を意識する」のは有効です。特に腹式呼吸のような動作は、ウエストに引き締め効果をもたらします。

腹式呼吸で呼吸も深くなり猫背も解消

 日頃から意識して、呼吸とともにお腹をへこますと、腹横筋が緊張と弛緩を繰り返します。腹横筋はお腹の一番深いところにあり、内臓を包むように横向きに走り、みぞおちから恥骨までの広い範囲を覆っています。この筋肉が衰えると、反り腰になったり、骨盤が開いたりして姿勢が崩れ、下腹部もポッコリと出て見えがちです。

 腹式呼吸の効果はウエスト引き締めだけではありません。上部から中部の腹横筋が適度に緊張と弛緩を繰り返すことで内臓の働きが高まり、血流の増加や筋温のアップによって代謝が上がり、体全体が活性化していきます。横隔膜も動くことで胸郭の柔軟性が増し、呼吸も深くなり猫背の解消にも効果があります。腹横筋の下部は骨盤にくっついているので、強化されると骨盤が安定してきます。

 一方、腹横筋を締めると、多裂筋という背骨をつなぐ筋群が同時に収縮。多裂筋は四肢を動かす直前に収縮し、骨盤や背骨を安定させる働きをもちます。しかし、一度でも腰痛を経験した人は多裂筋がうまく働かなくなっていることが多く、背骨が安定しないので負担のかかる動きを繰り返し、腰痛がなかなか改善しにくいといわれています。

 多裂筋は腹横筋と連動して動くので、腹式呼吸は多裂筋の"再教育"ともいえる効果があるのです。腹式呼吸といっても、吸ったときにお腹が凹むのか、ふくらむのか、どちらかわからなくなる方も多いと思います。まずは、呼吸と連動させて腹横筋をしっかりと収縮させる方法を身につけましょう。

 1.仰向けに寝て膝を立てる。
 2.両手をお腹の上に乗せる。
 3.鼻から息を吸いながら、お腹を膨らませる(風船に空気を入れるイメージ)。
 4.口から息を吐きながら、おへその少し下を背骨に近づけるようにしていく(お腹を真空にするように)。

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呼吸と連動させて腹横筋をしっかりと収縮

 骨盤は床に平行にしたまま固定し、背骨もS字カーブを崩さない(少し浮いた腰の部分を床に押し付けないように)のがポイントです。慣れてきたら、座った時にお尻の下に感じる骨(坐骨)を内側に寄せて肛門を締めるような感じで下腹部をさらに意識させます。こうすれば、内臓の位置を正して姿勢の歪みを整える骨盤底筋も一緒に鍛えることができます。

 腹横筋が収縮しているか確認するには、両手を脇腹に当てます。親指は背中側に置き、残りの指はちょうど骨盤が出たすぐ内側辺りです。呼吸とともにお腹をへこますと、指に触れた部分の筋肉がグググッと締まっていくのがわかるはずです。

 これに慣れたら、うつ伏せで同じように行います。うつ伏せの方が重力に逆らうため強度が少しアップします。どちらでもできるようになったら、椅子に座った状態や立った姿勢でも、背骨や骨盤を安定させながら行うことができるでしょう。


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五十嵐あゆ子(いがらし・あゆこ)

タイ式ヨガ「ルーシーダットン」マスターコース認定インストラクター。Hot Yoga & Fitness Space Gillで指導。身体運動学を学び、整形外科病院などにも勤務。アスレチックリハ(運動療法)担当トレーナーとして活動、リハビリ、運動指導、医療講演など行う。その後、メディカルフィットネスクラブでフィットネスインストラクターを兼務。現在、株式会社ドリームゲートの専務取締役兼インストラクターとしてフィットネスクラブの運営、ヨガレッスン、パーソナルトレーニング、キッズ~ジュニアの運動指導、健康講座などを行っている。

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