連載「恐ろしい危険ドラッグ中毒」第15回

自宅内が散乱、全裸で発見 司法解剖で不自然死の原因が危険ドラッグと判明

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 また、東京都23区内で発生したすべての不自然死について、その死因を明らかにする東京都監察医務院の福永龍繁先生は、医学雑誌で最近の危険ドラッグ関連死の急激な増加を指摘している。即ち同施設での異状死では、2012年の第一例目を確認して以降、同年には4件のみであったが、翌年には16件と著明な増加を認めたと報告した。男性が16件で女性が4件、男性は30歳代が最多で7件、40歳代が4件、20歳代3件、50歳代2件と続き、女性は20歳代と50歳代がそれぞれ2件であったとのことであった。同氏は危険ドラッグによる検挙者数の増加と相関して、死亡症例も増加したと述べている。 

 以上のように、最近では法医学によって、危険ドラッグによる死因解明が成され、その結果を知ることによって、改めてドラッグに手を染めることの危険性が強く再認識される。 私たちは危険ドラッグを絶対購入しない、使用しないことを肝に銘じるべきであろう。


連載「恐ろしい危険ドラッグ中毒」バックナンバー

横山隆(よこやま・たかし)

小笠原記念札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認定クリニカルトキシコロジスト、日本腎臓学会および日本透析学会専門医、指導医。
1977年、札幌医科大学卒、青森県立病院、国立西札幌病院、東京女子医科大学腎臓病総合医療センター助手、札幌徳洲会病院腎臓内科部長、札幌東徳洲会病院腎臓内科・血液浄化センター長などを経て、2014年より札幌中央病院腎臓内科・透析センター長などをへて現職。
専門領域:急性薬物中毒患者の治療特に急性血液浄化療法、透析療法および急性、慢性腎臓病患者の治療。
所属学会:日本中毒学会、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本内科学会、日本小児科学会、日本アフェレシス学会、日本急性血液浄化学会、国際腎臓学会、米国腎臓学会、欧州透析移植学会など。

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