もう一つは、カルシウムと骨粗しょう症治療薬のビスホスフォネート系製剤の併用だ。ビスホスフォネート系製剤は、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制するので、低カルシウム血症を引き起こすおそれがある。
体内のカルシウムの99%は骨に、残りの1%は血液中や細胞内に含まれる。この1%のカルシウムが筋肉の動きや心臓の働き、ホルモンの分泌や血液凝固など、骨以外のところでとても重要な働きをしている。
そのため、血液中のカルシウム濃度は常に1%になるように調整されており、この濃度が低下すると、骨に貯蔵されたカルシウムを融解して血液中に送り、カルシウム濃度を一定に保とうとする。
しかし、ビスホスフォネート系製剤は、骨からカルシウムが出ていかないようにするため、食事からのカルシウムの摂取量が少ないと、血液中のカルシウム濃度が低下するおそれがある。それを防ぐために、カルシウムのサプリメントで補充することが有用になる。
ただしこの薬剤、はミネラルなどと一緒に摂ると吸収が悪くなるとされているので、同時摂取は避け、30分~2時間程度の間隔を置いてカルシウムを摂ること、また1回の摂取量は500mgを超えないことという注意点を守らなくてはいけない。
サプリメントのメリットを理解して、上手に活用できれば、薬をサポートすることも可能なのだ。