1万5千人を解析! 気になる普通サイズは13.12cmと判明!?

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「普通サイズ」が明らかになってコンプレックスがなくなる?

 人間はどうも他者と比較したがる傾向がある。その結果、場合によっては劣等感に陥る人も少なくない。だが、その比較する基準や平均値が定かでなかったら――。

 先日、これまで俗説や一部のデータだけで論じられてきた"男性器のサイズ"だが、精度の高い世界平均値が報告された。論文名は、ずはり「私は普通?」だ。

 英ロンドン大学精神医学・心理学・神経科学研究所のDavid Veale氏らは、過去の研究で調べた男性およそ1万5000人のデータを評価・分析。そこから導かれた男性器のサイズの世界平均を、英・泌尿器科医会誌『BJU International』(3月2日付・電子版)に発表した。

 研究では、男性50人以上(17歳以上)について調べた過去の研究の中から、医療従事者が男性器の通常時と勃起時の両方をサイズ測定したなどの条件に合ったものを選出。欧米やアフリカ、アジア(韓国)、中東などの研究20件の調査結果を分析し、男性1万5000人余のデータが対象となった。ここには、男性器に異常がある人や勃起不全(ED)の人は除かれた。

 その結果、男性器の長さの平均値は、通常時で9.16cm、勃起時で13.12cm。また、太さの平均値は通常時で9.31cm、勃起時で11.66cmだったという。

 さらに、身体のほかの部位との比較で判明したのは、身長と男性器サイズが関連しているということだ。身長が高いほど男性器も長かったという。そのほかのたとえば、肥満指数や体重、指の長さ、睾丸の大きさ、足のサイズ、年齢との関連は明確でなかった。人種や民族によるサイズの違いも裏付けられなかった。

 ただし、報告では、陰茎のサイズに測定時の室温や興奮度、直近の射精などが影響した可能性や、自分のサイズに自信がある男性が研究に参加した可能性もあるという。分析対象の多くが白人もしくは中東の男性だったため、必ずしも今回の結果が全ての人種に当てはまるとはいえないとしている。

 とはいえ、これだけ大規模なデータを分析・評価して平均サイズが報告されたのは初だ。Veale氏らが今回の分析を行った背景には、無用な陰茎増大術を受ける人が後を絶たないことがある。

 「自分は普通でない」と、自分の性器を小さいと思い込むコンプレックスを抱えている男性が少なくないのだ。しかし、米カリフォルニア大学の調査(1996年)によると、実際に手術が必要なほど性器が小さい男性は全体の2.28%にすぎないという。

 男性の陰茎サイズの「普通」が明らかになったことで、病的な状態があるかどうかが予測でき、治療にも利用できると期待されている。

世界で初めて他人の陰茎を移植することに成功

 一方、3月14日、南アフリカ・ステレンボッシュ大学の医師団が、世界初の陰茎移植手術に成功したことを発表した。移植を受けたのは、3年前に割礼の失敗が原因で陰茎を切断した21歳の男性。移植手術は昨年12月、ケープタウンの病院で約9時間かけて行われた。

 移植を受けた男性は手術以降、排せつ機能と生殖機能のいずれも完全に回復。医師らは、予想以上に短い期間で回復したことに驚き、性器を提供したドナーの遺族らに称賛のメッセージを贈ったという。

もし大きくさせたいと思うなら......

 陰茎移植や増大術などには至らなくとも、陰茎サイズの平均値が明らかになったことで、普通以上に大きくしたいと考えるのは人情かもしれない。

 もしサイズアップしたいのなら、怪しげな強請剤に手を出すより、まずは喫煙はやめたほうがいい。タバコに含まれるニコチンと一酸化炭素は、血流を悪くしてペニスに悪影響を及ぼす可能性が高い。ペニス増大には、血流が何よりも欠かせないからだ。

 そして、心がけたいのは適度な運動だ。運動をしない生活は血管を弱らせてしまう。全く運動していない人は、まずはウォーキングや水泳など比較的負荷の少ないものから始めてみよう。

 適度な運動は、生活習慣病の予防にもなる。多数の論文によれば、糖尿病患者の3~2人に1人は ED の自覚症状が見られるとのこと。 性器にある海綿体の毛細血管は、体の中でも特に細い血管で、動脈硬化によって血流がもっとも低下しやすい血管だ。サイズにコンプレックスを抱くことは無用だが、男性器の変調には気をつけたほうがいいだろう。
(文=編集部)

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