勃起不全(ED)は日本人男性の3人に1人! あの戦国武将も愛用した「バイアグラ」の正体とは?

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天下取りを支えた!? バイアグラの正体。

 近年、若年層でもED(勃起不全)を発症するケースが増加してきている。その原因として、ジャンクフードの大量摂取、ストレス社会など、さまざまな要因が取り上げられているが、実態は解明されていない。おまけに年を重ねれば、個人差はあるが、体力の衰えと同じように男性機能も低下する。いわゆる「老化現象のひとつ」である。

 勃起不全はかつて、インポテンスもしくはインポテンツと呼ばれていた。「インポ」には侮蔑的な印象も含んでいたため、近年EDという呼称が普及したおかげで、悩みを申告しやすくなった感はある。アルコールで反応が悪くなるなどの「軽度」まで含めると、日本はEDに悩む男性がおよそ800万~1400万人いるとされている。性質上、正確な数値ではないかもしれないが、日本人男性の3人に1人となる。

 EDには、心理的な要因で起こるもの(心因性)、血管や神経のさまざまな障害によるもの(器質性)がある。悩める人は、バイアグラなどのED改善薬を試してみるのはいいかもしれない。ただし、これらは抗うつ剤やニトログリセリンなど、一緒に服用してはいけない薬もある。また、ED改善薬は、一時的な改善にはなっても根治につながらない。そこでここでは、ED改善薬のなかった時代、いにしえのツワモノを手本に、"元祖バイアグラ"ともいえる精力剤を紹介したい。

 徳川家康は、正室・側室などに18人の子女をもうけたという(他にも隠し子数名)。60歳を過ぎて3人の世継ぎをもうけたツワモノである。豊臣秀吉の場合も、58歳で秀頼が誕生している。さすが、戦乱の世で天下統一を果たしただけあり、絶倫である。

 家康は、中国の薬学書などを読んで薬を調合し、自分で服用していた健康マニア。食生活にも気を配り、75歳で亡くなる晩年まで健康だった。その彼が愛用していたのは、「海狗腎(かいくじん)」。家康は、蝦夷の松前藩に命じて海狗腎を手に入れていた。近くの津軽藩には、海狗腎を主成分にした秘薬「一粒金丹」があったという。

●天下人はハーレムに君臨する姿を夢見て

 海狗腎はアザラシ科のゴマフアザラシ、その他のアザラシ科動物およびアシカ科のオットセイの陰茎および睾丸を乾燥させたものだ。古くは16世紀に中国の李時珍が記した医学書『本草網目』の中に、その精力剤や滋養強壮剤の記載があるとされる。

 中医学には「類型同効論」という、「似たものが似たものを治す」「類をもって類を補う」という考え方がある。体の弱っている部分と同じ部分を食べればよいというものだ。動物の生殖器を食べれば、生殖器の栄養補給として効率がいい、すなわちEDや精力減退を改善する。海狗腎に使われるアザラシやオットセイは一夫多妻制。一頭のオスが数十頭のメスを占有してハーレムを作ることで知られている。天下人は、ハーレムに君臨する獣たちの姿に、同じ夢を見たのかもしれない。

 中医学の"腎"は、西洋医学でいう腎臓だけのことではなく、広く生殖器を含めたものを指す。江戸時代、"腎虚"はインポテンスのことで、中年男性にとって重要な疾患のひとつだった。中医学では、海狗腎は腎を温め、その機能をさかんにし、腎のエネルギー不足を補い、骨や髄の働きを活発化する働きがあり、気力、体力の衰えを補う。「腎虚」の人にはなくてならない薬ともいえる。

 希少で高価な海狗腎は手に入れにくいという諸兄には、「八味地黄丸(はちみじおうがん)」はどうだろう。家康は、腎臓や膵臓によいとされている八味地黄丸を特に好んで処方して日常服用していたという。体の弱った機能を補って元気にし、特に足腰や泌尿生殖器など下半身の衰えに最適で、中高年のアンチエイジングに役立つ漢方薬としても知られている。ただし、服用には、体力の充実している者や、暑がりでのぼせが強く、赤ら顔の者には慎重に投与すべきとある。知る人ぞ知る精力剤、試してみる価値はありそうだ。【ビジネスジャーナル初出】(2014年7月)
(文=チーム・ヘルスプレス)

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