連載「-5歳を実現する、50歳からのエクササイズ」第1回

背中を鍛えると「やせ」やすいカラダになる!? 姿勢の悪さが「老化」を促進させる

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実は背中を鍛えるとやせやすい!?

 そこのあなた、背中を丸めてディスプレイ見ていませんか? いわゆる「猫背」は、あなたの見た目を老けさせ、健康にもさまざまな悪影響を与えます。猫背を簡単にいえば、肩甲骨が離れすぎている状態(つまり肩が丸まっている)です。巻き込み肩ともいいます。意識していないとなりがちですよね。

 猫背が続くと、首から背中にかけての僧帽筋が常に緊張状態となって、血行不良に陥りやすくなります。さらには、頭の位置が重心より前に出ていることで、首の筋肉がバランスをとるため収縮し続け負担がかかり、首の痛みを誘います。

 また、肩が丸まっていると普段から呼吸が浅くなりがちです。浅い呼吸は、横隔膜が大きく動かなくてもできるので、腹筋などの全体を支える筋肉が弱くなり、腰椎に負担がかかりやすくなるため腰痛にもつながるのです。

実は背中を鍛えるとやせる!?

 ヒトの基礎代謝を決めているのは筋肉量。同じ身長、体重でも脂肪が少なく、筋量の多い人の方が基礎代謝は高くなり、消費エネルギー量も多くなります。筋肉量や筋力は成長ホルモンやたんぱく質の合成低下によって30代をピークに徐々に落ち、基礎代謝も加齢とともに減り続けます。これを防ぐためにはトレーニングを習慣づけて行い、筋肉量を維持、増進することが大切です。

 基礎代謝を上げるにはエネルギー消費の多い「赤筋(せっきん)」を刺激することが大切です。人は身体を早く動かすと「白筋(はっきん)」という筋肉が多く使われ、ゆっくりと動かすと赤筋が多く使われます。この赤筋を集中的に刺激するには、赤筋が多く集まっている背筋(背柱起立筋)を鍛えることが効果的でお薦めします。猫背や姿勢の悪い人は、この筋肉が弱っています。

 とはいえ、運動習慣のない方には難しいかもしれませんので、もっとハードルの低い「姿勢を正す」にトライしてみてください。
 
 実は、脂肪細胞の燃焼に関係する褐色脂肪細胞は、肩甲骨の周囲に存在します。そう、猫背を気にしてここを意識して動かすことは、意外なダイエット効果につながります。背中を意識して背筋を伸ばしただけでも、カロリー消費量は1.5倍もアップするといわれています。

 そこで、まずは正しい姿勢をチェックしてみましょう。次の5点がまっすぐになっていますか? 立ち姿を横から見たときに、①耳の穴、 ②肩峰(けんぽう:鎖骨の先にある、肩のでっぱり)、③脚の付け根の関節部分、④横から見た時の膝の中心、 ⑤外くるぶしから約2cm前方。特に②の肩が前方にでている人は、とても多いように感じます。

 日頃からちょっとした意識で、猫背を正すことができます。まず、①胸を張ること。自然に肩甲骨が背骨に寄せられます。そして、②意識的に肩を下げる。猫背の人は、首を無意識にすくめてしまう癖のある人が多いので、肩を意識して下げることで背筋が引き締まります。

 歩いているときや、ガラスに映った自分の姿見を横目でチラリと見てチェックするなど、気づいたときにできれば大丈夫。それを繰り返していれば、自然と美しい姿勢が続くようになります。

 慣れてきたら、デスクワークや歯磨きなど、何かの最中にもちょっと意識しながら「胸を張る」「肩を下げる」を取り入れてみてください。緊張状態の体がリラックスするはずです。

 実はこれだけでも正しい姿勢を維持することで、筋トレと同じような効果があります。筋肉がその収縮になれてくると、きっと無意識にあなたの立ち姿が変わってきますよ。


連載「-5歳を実現する、50歳からのエクササイズ」バックナンバー

五十嵐あゆ子(いがらし・あゆこ)

タイ式ヨガ「ルーシーダットン」マスターコース認定インストラクター。Hot Yoga & Fitness Space Gillで指導。身体運動学を学び、整形外科病院などにも勤務。アスレチックリハ(運動療法)担当トレーナーとして活動、リハビリ、運動指導、医療講演など行う。その後、メディカルフィットネスクラブでフィットネスインストラクターを兼務。現在、株式会社ドリームゲートの専務取締役兼インストラクターとしてフィットネスクラブの運営、ヨガレッスン、パーソナルトレーニング、キッズ~ジュニアの運動指導、健康講座などを行っている。

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