連載・知られざる漢方薬パワーの実像②

誤解や先入観が多い漢方薬、未経験でも安心して使いたい

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医師の間にも広がる漢方処方の波

 製薬会社や医師主導による臨床試験によって漢方の研究が盛んに行われるようになり、その結果が医師の処方を後押しして、漢方の処方量も近年では増加傾向にあります。ある調査によれば、「西洋薬のみの使用では限界があるから」「エビデンスが揃ってきたから」「患者からの要望があった」などの理由で、漢方を処方するようになった医師が増えていると報告されています。(日経メディカル:https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/hotnews/int/201005/515109.html)

 2011年に行われた日本漢方生薬製剤協会による調査では、漢方を処方している医師は全体の90%にも上り、患者さんからも高い満足度が得られているとの結果も出ています。今後も漢方の人気は医師および患者レベルでもますます高まることが予想されます。
(日本漢方生薬製剤協会 漢方薬処方実態調査:https://www.nikkankyo.org/serv/pdf/jittaichousa2011.pdf)

漢方薬はの使い方

 いまや漢方薬は古いお薬ではなく、大きな期待が寄せられている注目の存在です。ただ、その使い方にはコツがあり、誰もが簡単に使いこなせるお薬ではないというところに漢方の難しさがあります。そこで、どうすれば賢く漢方を最大限に活用できるのか、よくある質問を中心にお伝えします。

Q.病院でもらう漢方薬とドラッグストアの漢方に違いはありますか?
A.医療用漢方薬は医師の判断によって使われるもの、ドラッグストアで売られている一般用漢方薬はご自身の判断で自由に選択できるものという点が違っています。また、一般用漢方薬は安全性に使うことを優先するため、一部の生薬の種類が違う場合や、含有量が医療用漢方薬よりも少ない場合があります。ただ、医療用漢方薬も一般用漢方薬も古典書の記載に基づく処方となっているため、効能効果に大きな差はありません。症状のケアのために漢方の効果を試したいのであれば、まずは手軽な一般用でも良いでしょう。また、実は一般用医薬品の方が、保険適応が認められている医療用漢方薬よりも多くの種類の漢方薬が販売されています。幅広い目線で漢方を取り入れてみましょう。

Q.漢方はすぐに効きますか?
A.漢方薬は目的や種類によって、また証(体質)に合っているかどうかで効果の現れ方が変わります。例えば葛根湯や麻黄湯のような風邪に用いる漢方薬は即効性があります。こむら返りに効き、アスリートや登山家に愛用者も多い芍薬甘草湯は効果発現時間で平均6分というデータもあるほど。
このような、風邪などへの短期間の服用であればそれほど問題はないでしょうが、慢性的な症状であればじっくりとある程度の期間、服用した方が効果を得やすいこともありますので、こうした場合は漢方の専門家に相談した方が安心です。

Q.漢方に副作用はありますか?
A. 漢方は自然由来の原料から作られていますが、全く副作用がないとは言えません。例えば、インフルエンザに有用な「麻黄湯」であれば、既往症として高血圧や心疾患がある場合は「麻黄」が身体に悪影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。基礎疾患や服用中の薬がある場合は必ず相談してから購入しましょう。

 また、漢方薬は西洋薬と異なり複数の生薬成分から構成されているため、生薬同士が副作用を相殺しあうという優れた作用があります。自然の授かりものを利用した漢方薬は、先人たちの知恵と経験の蓄積により危ない薬が取捨選択され淘汰されてきました。数千年の歴史の中で育まれた漢方薬は、人工の新規化合物による新薬とは全く違う背景を持っているのです。

Q.漢方の選び方を教えてください
A.漢方薬は単に症状だけでなく、体質・体力をもとに選ぶ必要があります。一般用漢方薬の効能効果にも「体力」についての指標が書かれているので、自分で選ぶときは参考にしてみましょう。
ただし、「体力」の判断は自己流では見誤ることがあります。また、「気血水の乱れ」「虚実」「陰陽」など様々な要素から総合的に判断してこそ精度の高い漢方治療が可能となります。漢方をはじめるのであれば、漢方に詳しい医師または薬剤師に相談することをおすすめします。

Q.漢方薬の具体的な入手方法を教えてください。
A.医療用漢方薬がご希望であれば病院を受診して、処方してもらう必要があります。漢方内科や漢方専門の病院で相談してみると良いでしょう。
新千円札の図柄にも選ばれた北里柴三郎が学祖である北里大学などの大学病院にも漢方専門の外来があります。
(https://www.kitasato-u.ac.jp/khp/index.html)
お近くの東洋医学会認定の漢方専門医を探すならこちら。
(http://www.jsom.or.jp/universally/index.html)

 最近ではAIでの体質判定を基にしたネットの漢方相談サービス『あんしん漢方』が登場し、注目されています。健康相談から漢方薬の宅配まで、漢方薬局と同等のサービスをすべてご自宅で受けられるサービスです。まずは無料の体質判断+症状 チェックを受けてみては?
『あんしん漢方』
https://www.kamposupport.com/anshin1.0/hp/
(文=笹尾真波)

取材協力:ロイヤル漢方クラブ
クリニック情報
住所 東京都渋谷区渋谷3-6-18第4矢木ビル2F
   JR渋谷駅C1出口より徒歩3分
電話 03-5464-1234
※来院が難しい方への漢方アドバイスはこちらから
https://www.kamposupport.com/anshin1.0/hp/

笹尾真波(ささお・まなみ)

一般社団法人日本薬業研修センター漢方講座執筆・編集
漢方アドバイザー養成講座アドバイザー(国際統合治療協会)
ロイヤル漢方クラブあんしん漢方認定薬剤師
ご自宅で漢方アドバイスを試したい方はこちら(あんしん漢方)
https://www.kamposupport.com/anshin1.0/hp/

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難治性むちうち症からなぜ多くの不定愁訴がおきてしまうのか?
難治性のむちうち症を改善 後編 東京脳神経センター 整形外科・脊椎外科部長 川口浩医師

前編『画像診断できない難治性のむちうち症を独自の治療法で改善』

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Doctors marche アンダカシー
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大阪大学大学院言語文化研究科教授。米国ウィスコン…

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一般社団法人日本薬業研修センター漢方講座執筆・編…

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新宿大腸クリニック院長。1988年、東京大学医学…

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