連載「恐ろしい危険ドラッグ中毒」第51回

ついにわが国でも医療用大麻が抗てんかん薬となるか!?

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がん患者やエイズ患者、神経障害性の疼痛軽減に使用

 医療用大麻先進国のアメリカやカナダでは、約30州で医療用大麻の使用を許可する法律があり、また大麻草の栽培、加工、販売が許可されている。

 また、カナダでは、2016年8月にがん化学療法に伴う重度の悪心、嘔吐、がんおよびエイズ患者の食欲、体重の減少、慢性非がん性疼痛(主に神経障害性)、重度のがん関連性疼痛などに医療用大麻を使用できるとした。また、保健省から生産用および自家栽培用のライセンスを取得した人が大麻を取扱いできるようにした。なお規制されたシステム以外での生産、流通、販売は刑事制裁の対象になるとした。 

 今後わが国で医療用大麻を普及させるために解決しなければならない問題点はなにか。              

まずは、医療用大麻を上記の患者さんに臨床試験薬として使用し、治療結果の解析を行ない、既存の抗てんかん薬の治療効果との比較検討を行うこと。そのうえで薬用量の設定、副作用の発生状況を詳細に検討することが必要。もちろん過去に行われた諸外国の医療用大麻の治療成績を分析することも重要となる。 

 一方で嗜好用大麻の社会的濫用を防止することも大きな課題となる。医療で使用可能ならば、嗜好品として使用しても問題ないと解釈する恐れがあるので注意すべきである。今後、医療用大麻使用に関する法律を制定し、不正使用に関しては厳しく取り締まる必要があろう。 

そのうえで難治性てんかんの治療のみならず、各種の慢性疾患、特に悪性腫瘍での疼痛のコントロールなどの緩和医療においても使用される道が開けることが期待される。
(文=横山隆)

横山隆(よこやま・たかし)

小笠原記念札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認定クリニカルトキシコロジスト、日本腎臓学会および日本透析学会専門医、指導医。
1977年、札幌医科大学卒、青森県立病院、国立西札幌病院、東京女子医科大学腎臓病総合医療センター助手、札幌徳洲会病院腎臓内科部長、札幌東徳洲会病院腎臓内科・血液浄化センター長などを経て、2014年より札幌中央病院腎臓内科・透析センター長などをへて現職。
専門領域:急性薬物中毒患者の治療特に急性血液浄化療法、透析療法および急性、慢性腎臓病患者の治療。
所属学会:日本中毒学会、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本内科学会、日本小児科学会、日本アフェレシス学会、日本急性血液浄化学会、国際腎臓学会、米国腎臓学会、欧州透析移植学会など。

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