今度は田口&小嶺が逮捕、医療用大麻への誤解と悪影響はないか?

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そろそろ大麻に対する冷静な判断を

 3月20日、朝日新聞は「大麻*含むてんかん薬 使用可能に」と報道しました。参院沖縄・北方問題特別委員会の場で、医師でもある参議院議員秋野公造氏の質問に答える形で大麻*を原料とする医薬品(以下「医療大麻*」と記述)の扱い方について厚労省が見解を示したという内容です。(注1)(参1)
 
日本人は、戦後のある時期から大麻について語ることをタブーとしてしまいました。そのため偏見や無責任な言説が横行し、医療での利用と嗜好利用の是非がごっちゃに語られるなど混乱した状況が続いています。そんな中、厚労省が「医療大麻*」の使用を許容する判断をしたことは画期的と言えるでしょう。

この判断は、苦しむ患者さんを救うことに役立つでしょうか?乱用を増やすことにならないのでしょうか?この小稿を通して大麻に対する偏見が幾分でも解消され、責任ある知的な議論に繋がることを期待します。

乱用の心配のない大麻*製剤エピディオレックス

 現在わが国では、大麻*を含む医薬品は処方することができません。なぜなら、「大麻取締法」により「大麻*から製造された医薬品を施用し、若しくは交付し、又はその施用を受けた者は、五年以下の懲役に処する。」と決められているからです。その為、これまで臨床試験も行われませんでした。今回は、大麻*を原料に作られた「てんかん治療薬エピディオレックス」について、臨床試験ならば施用可能と厚労省が公式に認めたということです。「エピディオレックス」は、大麻*の成分の中でも依存の問題が起きないといわれるカンナビジオール(CBD)という物質を難治性てんかんのドラベ症候群やレノックス・ガストー症候群の治療に使おうというものです

患者の苦しみと科学の進歩を無視した「大麻取締法」

 「大麻取締法」ができたのは、戦後間もなくの1948年。15年後の1963年には、イスラエルの科学者ラファエル・メコーラム氏等が大麻*の依存や乱用の元となるのはテトラヒドロカンナビノール(THC)であることなどを顕かにしました。それ以来、大麻*の成分とその人体への働きについての理解は進み、医薬品としても期待されるようになってきました。

 その為、一部の国ではてんかん以外にもクローン病、多発性硬化症、慢性疼痛などの症状の緩和に使われるようになっています。そういった意味で大麻*が原料だというだけで、乱用の心配のない医薬品まで禁じる「大麻取締法」は、科学の進歩や患者の苦しみを軽視した不合理な内容を含む法律と言えるかもしれません。

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