子どもの発熱であわてない! 発熱の仕組みを知らないと逆効果に!

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発熱を味方に付けて、子どもの免疫的成長を

5.解熱剤はいつ使えばいい?
 今まで読んでいただいた方々は、「解熱剤はいつ使えばいいのか?」という疑問が湧いて来る事でしょう。実は、原則的には、解熱剤は必要な薬ではありません。でも、「38.5度以上あったら使って下さい。」と聞いた事はありませんか?実は、この38.5度には科学的な根拠が無いのです。あえて言えば、「38.5度以上あったら、使ってもいいよ。」が正しいので、「是非、使って下さい。」は間違いなのです。

 副作用としての低体温を起こしにくいのが38.5度以上と言われています。だから、使ってもいい。だけど、機械的に38.5度以上になったらすぐに使うのはやめましょう。身体としては一生懸命にあげようとしている熱なのに、それを強引に抑え込んでしまうと、薬が切れるのを待ってすぐに体温が上昇します。そこでまた解熱剤の使用を繰り返すと、体力を消耗してしまうのです。

 ちなみに、解熱剤で深部体温自体を下げるのと、周囲から冷却するのは全く意味が違います。免疫力を上手に活性化してあげるためには、深部体温を変化させるよりも、体表の熱を取って不快感を減らしてあげる冷却の方が効果的なのです。

6.保育園に入ったら熱を頻繁に出すようになった?
 ジジババ達が、目尻を吊り上げて、こう訴えて来る事があります。「昔はそんなに発熱しなかった。だから、ウチの孫は絶対におかしい。親が忙しいから、心因性でサインを出しているんだ!」と。これは、半分正しく、半分間違っています。

 と言うのは、昔は0歳児、1歳児保育というサービスがそもそも存在しなかったので、子どもが集団に入る事が少なかったのです。つまり、おばあちゃん、おじいちゃん達が現役のママ、パパだった時代には、頻繁に発熱する乳幼児は少なかったでしょう。

 しかし、近年は0歳児保育も当たり前になっています。つまりまだ免疫発達が未熟な小さな子どもがたくさん集まって来るのです。ここに風邪の病原体が入り込んだらどうでしょう?確実に感染して、発熱、鼻汁等の症状が出ます。発熱がおさまったと思って保育園に連れて行くと、またあっという間に発熱を繰り返します。発熱する事で、免疫を活性化させて真面目に毎回戦っているのです。それが証拠に、1年から1年半くらい経過すると、発熱の頻度は減って来ます。この状況は、共働きが必要な家族ではある程度やむを得ない状況でしょう。

 心因性ではないのです。

 以上のように、免疫が未熟な子どもがある程度発熱を繰り返すのは仕方がない事なのです。だったら、発熱を上手に味方に付けて、子どもの免疫的成長を支えるようにしましょう。
(文=高橋謙造)

高橋謙造(たかはし・けんぞう)
帝京大学大学院公衆衛生学研究科 教授、公益財団法人ときわ会常磐病院 小児科非常勤医師、
ナビタスクリニック川崎 小児科非常勤医師

※MRIC 2019年7月9日号より抜粋 全文は http://medg.jp/mt/?p=9096

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