「夜勤」は寿命を10年以上縮める? 夜勤が招く流産、肥満、がんのリスク

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「夜勤」がもたらす“肥満”で、さまざまな病気に

 従来の各種研究からも「夜勤」に起因するサーカディアンリズム(概日リズム)の乱調、いわゆる体内時計の狂いがさまざまな疾患のリスクアップにつながると指摘されてきた。

 近年の一例が、香港中文大学公衆衛生・プライマリケア学部のM.Sun氏らが『Obesity Reviews』(2017年10月4日オンライン版)で発表した、夜勤労働者は太りやすく、とりわけ「腹部肥満」になりやすいとの観察研究報告だ。

 彼ら研究班の分析では、夜勤労働者が肥満や過体重になるリスクは1.23倍であり、肥満のなかでも腹部肥満になるリスクが1.35倍も高かった。しかも長期間に渡って夜勤だけを続けた場合、ローテーションで夜勤をする形態と比べて肥満リスクが29%も高かったのだ。

 ご存じのとおり、肥満は生活習慣病の要因のひとつであり、そこからさまざまな疾患を引き起こす。「夜勤=肥満リスク」に関するSun氏らの見解はこうだ。

「人間の身体は食欲に関するホルモンをリセットし、夜が来れば自然と眠るようにできている。夜勤による睡眠の妨げがそのバランスを崩し、必要以上に食べてしまうことで肥満につながる点は疑問の余地がない」

「腹部肥満」は閉経後女性のがんリスク

 女性の見逃せない健康問題に絞れば、この「腹部肥満」に関する先行レポートもある。冒頭では、妊婦の夜勤リスクに関する報告を紹介したが、同じくデンマークの研究陣が2017年9月開催の「欧州臨床腫瘍学会(ESMO)」で発表したものだ。

 Nordic Bioscience and ProScionのLine Mærsk Staunstrup氏らの研究成果によれば、自国の閉経後女性5855人(平均年齢71歳)を対象に、体脂肪や体組成を測る二重エネルギーX線吸収測定(DXA)法の追跡調査が12年間に渡って実施された。

 導き出された結論は、閉経後女性の「肺がん」や「消化器がん」のリスク因子は、体重やBMI、体脂肪率よりも「腹部肥満」が重要である可能性が高いことだ。むしろ、体重やBMI、体脂肪率はいずれも有意ながんのリスク因子ではないことも確認できたと、彼らは発表した。

「閉経を迎えた女性は体重管理、とりわけ腹部肥満の予防ががんリスクの低減に肝要だ。生活習慣に気配り、余分な脂肪を溜め込まないよう配慮するべき」(Mærsk Staunstrup氏)

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