連載「グローバリズムと日本の医療」第12回

朝に感染症にかかると症状が悪化! バイオロジカルクロックが狂いがちな夜勤の労働者は要注意

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
46043197.jpg

バイオロジカルクロックが狂いがちな夜勤の労働者は要注意(shutterstock.com)

 イギリスのケンブリッジ大学におけるマウスを使った実験結果によると、ウィルスに感染するタイミング(時間)によって、疾病の度合いが異なるという。ウィルス感染とバイオロジカルクロックの間には密接な関係がありそうだ。

 ケンブリッジ大学の研究グループは、インフルエンザウィルスもしくはヘルペスウィルスに感染したマウスを使って実験を行った。

 その結果、午前中にウィルスに感染すると、午後に同じウィルスに感染したマウスよりも細胞内での増殖が10倍以上になった。その原因として考えられることは、日周性リズム、つまりバイオロジカルクロックである。

細胞はバイオロジカルクロックから影響を受け環境変化に適合

 ウィルス感染症は、ウィルスが生物の細胞に入り込み繁殖することによって発症する。遺伝子の10%ほどは1日を通じてその活動を変化させており、その変化はバイオロジカルクロックによって管理されている。個々の細胞にはバイオロジカルクロックがあるのだが、各細胞はバイオロジカルクロックから影響を受け、昼夜を問わず日々の環境変化に適合している。

 ケンブリッジ大学の研究グループは、あるバイオロジカルクロック遺伝子(Bmal1)に着目した。この遺伝子は、マウスでも人間でも午後に活動のピークを迎える。研究の結果、このBmal1との関連が重要だということが判明した。

 Bmal1の活動が鈍い早朝は、ウィルスに感染する危険性が最も高くなる。このような結果から、バイオロジカルクロックが免疫システムに何らかの影響を与えていると考えられている。

杉田米行(すぎた・よねゆき)

大阪大学大学院言語文化研究科教授。米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。

杉田米行の記事一覧

杉田米行
美容界で異彩を放つ「炭酸ジェルパック」とは?細胞からのアンチエイジングとケアが大切
インタビュー「炭酸美容とはなにか?」後編:メディオン美容皮膚クリニック院長・日置正人氏

前編『炭酸ケアの第一人者、褥創の治療経験から生まれた「炭酸ジェルパック」』

美容の世界でも異彩を放つっている「炭酸ジェルパック」。 皮膚科・内科の医師として長年、炭酸の医療的な研究に携わり、その研究の成果として画期的な美容素材「炭酸ジェル」を開発した日置正人医師に、その開発の過程や効果について聞いた。

Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

医療法人社団 三喜会 理事長、鶴巻温泉病院院長。…

鈴木龍太

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法…

郡司和夫

小笠原記念札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認定クリ…

横山隆