夜勤<時給905円>で人手不足は解決できるのか?(shutterstock.com)
入居者19人が殺害された障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)の再建に関して、8月11日、2度目の訪問を終えた黒岩祐治・神奈川県知事は、「建物の改修か建て替え」のいずれか2案に絞って検討する方針を決めた。
一方、7月26日未明の事件発生直後から同施設の求人情報がネット上にアップされ、募集された夜勤生活支援員の時給が「905円」と神奈川県の最低賃金であったことが賛否の議論を呼んでいる。
そもそもはハローワークの公式サイトから同施設の求人画像が転用されたのが発端だが、募集期限は「7月31日まで」とあり、応募者の人数や採用の流れについては現時点で知りようもない。が、件の「905円問題」に関しては、いまだ両論の嵐が収まらない。
「介護」不問である夜勤生活支援員の募集要項は、就業時間が「18時~翌朝8時半(うち休憩時間120分)」、業務内容は「グループホーム夜勤業務」、賃金は「月給a:基本給(月額平均)又は時間額905円~905円/月給b:定額的に支払われる手当a+b 905円~905円」 と設定されていた。
時給905円は「可哀想」か「美味しい」か?
問題は、その額が職種や業務内容を鑑みた場合、「安すぎ」「可哀想」「なんとかしてほしい」と同情を集める値なのか、「巡回等以外は基本座ってるだけだし」「夜勤手当が5000~7000円つくだろうし」「普通に美味いだろ。甘ったれるな」という意見のほうが当然なのかという点だ。
なかには専門家なのか、「最低賃金法違反」「労働基準法24条違反」「36協定届違反」などの判例を引き合いに出し、労働時間14時間30分を前提とした計算式を以下のように掲げている匿名投稿者もいる。
●18時~22時の4時間を時給905円
●22時~深夜2時までの4時間を時給1131円(法定深夜割増)
●深夜2時~朝8時半までの6時間30分を1357円(法定深夜割増&法定時間外割増)
投稿氏いわく、元来は1日で計「1万6965円」の支払い義務を解される可能性が高く、これが「法律なのです」と結論付けている。もちろん外野の声はあくまでも参考意見、面談で提示される詳細な条件待遇を吟味しながら、決断するのは本人次第なのだが……。