夜勤や交代勤務と妊娠との関連性はあり?>(depositphotos.com)
夜勤や力仕事に従事する女性は受胎能が低下する可能性があることが、新たな研究で示唆された。不妊治療を受ける女性を対象とする研究で、そのような女性に「成熟」卵が少ない傾向が認められたという。
この研究は「Occupational & Environmental Medicine」オンライン版に2月7日掲載された。
ただし、この知見は慎重に受け止める必要がある。研究を率いた米ハーバード大学公衆衛生学部(ボストン)のLidia Minguez-Alarcon氏は、このような仕事に従事する女性は「卵子の質」に影響を及ぼす別の環境因子にも曝されている可能性があると指摘する。
今回の研究に関与していない専門家である米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン不妊治療センター(ニューヨーク市)のJames Grifo氏は、この知見は直接的な因果関係ではなく、特定の仕事環境と妊孕性の指標の関連性を示したにすぎないと指摘。こうした研究がかえって女性のストレスや罪悪感の原因となるのではないかと懸念している。
夜勤や力仕事で働く女性の成熟卵が少ない
この研究では、1カ所の不妊治療センターで体外受精(IVF)を受けた女性約500人を調査した。IVFでは排卵誘発剤を用いてなるべく多数の成熟卵を採取するため、各患者から得られた卵子の数を正確に知ることができる。
その結果、夜勤や交代勤務(シフトワーク)で働く女性は、昼間働く女性に比べて、成熟卵が平均約2個少なかった。また、力仕事をしていた女性はそうでない女性に比べて、成熟卵が平均1個少なかった。この影響は、過体重、肥満、高齢の女性で特に大きかった。