サプリメントで急性肝障害被害 自然由来サプリでも安全・安心とは限らない理由

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グルコサミンは関節の痛みには効かない!?

 日本でも新聞や雑誌、ネット上にサプリメントの広告はあふれている。「グルコサミン」「コンドロイチン」……さまざまな成分を謳った商品群の宣伝文句が目に飛び込んでくる。それらを愛用している健康志向のユーザーも少なくない。だが、その効能効果はどれほどのものだろうか。

 『BMJ Journals』(2017年7月28日)では、「口から摂取するグルコサミンは、膝や股関節の痛みには効かない」という、グルコサミン信奉者にとって残念な報告がもたらされた。

 じつは、それ以前にも、『Osteoarthritis and Cartilage(変形性関節症と軟骨)』(2009年)の変形性関節症のガイドラインで「口から摂取するグルコサミンの効果はエビデンスに欠けるのでお勧めできない」と明記されているのだ。

 また、既発の別の研究でも、グルコサミンを24時間摂取しても「MRIなどの画像に膝関節の構造上の変化(軟骨の再生や増大)は認められなかった」「痛みを改善するグルコサミン効果は期待できないだろう」との評価を明らかにしている。

 しかし、サプリ広告が大きな収入源となるメディアでは、この手の不都合な報告が積極的に紹介されることはほとんどない。

カルシウムサプリは骨折予防に効果ナシ?

 また、骨のもろさが原因で起きる「骨粗鬆症」に効くと謳うサプリメントの広告では、「予防には骨密度を高めるカルシウムやビタミンDの栄養素が不可欠」と紹介するのが一般的だ。

 ところが、『British Medical Journal』(2015年)では、「Calcium intake and risk of fracture: カルシウム摂取と骨折リスク」において「サプリメントによるカルシウム摂取は、骨折予防に効果的とはいいがたい」という、サプリ信奉層をがっかりさせる論文が掲載されている。

 一方、日光を浴びると体内で合成され、健康維持には欠かせない栄養素であるビタミンD。こちらもサプリメントによる過剰摂取を警告する症例報告が、『Canadian Medical Association Jounal』(2019年4月18日オンライン版)に掲載された。

ビタミンDサプリの高用量摂取で急性腎障害に

 報告は、極めて高用量のビタミンDサプリメントを摂取していたカナダ人男性(54歳)が急性腎障害を来したというケースだ。男性は、東南アジアを旅行して帰国した後に、かかりつけ医のもとで診察を受けた。なお、男性は、現地で2週間にわたり1日6~8時間も日光浴をして過ごしていたという。

 検査の結果、血中クレアチニン値から急性腎障害が疑われ、腎臓専門医のもとに緊急で紹介された。そこで、さらに詳しい検査を受けたところ、男性はビタミンD欠乏症でもなく、骨量減少の既往もなかったにもかかわらず、自然療法医から高用量のビタミンDを処方されていたことが判明した。

 男性は、30カ月にわたって毎日、1日当たり計8000~1万2000IU相当量のビタミンDの液体サプリメントを服用し続けていたという。その量は、30カ月間 1日当たり計800~1万2000IUに相当する。

 ビタミンDの1日当たりの許容摂取量は400~1,000IUとされ、高齢者や骨粗鬆症リスクが高い人の場合でも800~2000IUだ。この男性は、基準をはるかに超えるビタミンDを摂取しており、これによってカルシウムの血中濃度が極端に上昇し、急性腎障害が引き起こされたのだ。
 
 報告者であるトロント総合病院およびトロント大学(カナダ)のBourne Auguste氏は、「制限のないビタミンDの摂取はリスクを伴うという認識を持つべき」とコメントしている。多くのサプリメントに当てはまるように、ビタミンの過剰摂取は予想もしない有害事象につながることもある。サプリはあくまで栄養補助、と原則に立ち返って利用していただきたい。(文=編集部)

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