人と一緒に食事ができない! 「会食恐怖症」に悩む人たちに伝える、その克服法とは

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不安のピークは食事開始から30分

『会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと』(内外出版社刊)

 会食恐怖症になると、食堂に足を踏み入れるだけで吐き気が込み上げたり、食事の場面を想像するだけで気が滅入ったりして、誰かとご飯を食べることを避けるようになっていく。

 山口氏に相談したある女性の場合は、ご飯を食べるときになると顔がひきつったり、スープを飲む手が震えたりするので、毎回頓服薬を飲んでから友人と食事に行っていた。

 その女性に対し、山口氏が伝えたアドバイスは「震えてもいい」ということ。「震えてはいけない」と思えば思うほど震えてしまっていた女性は、「震えてもいいんだ」と考えを改めることで、症状なく食事をすることができたという。

 徐々に回復した女性は、ついにお付き合いしている男性とおしゃれなお店でフレンチのコース料理を食べられるようになった。
 このことからも分かるように、会食恐怖に対して、事前に周到に準備しすぎることは、かえって症状を悪化させるケースもある。山口氏は、準備するころよりも、「準備しなくても大丈夫だった」という経験を重ねることが大事だと話す。さらに「不安のピークは30分で、それを超えれば楽になる」ことを学べば、ずいぶん気持が楽になるという。
 
 山口氏のカウンセリングでは、会食恐怖症のメンバー同士での食事会も開催。症状のことを理解してくれる仲間の前では、不思議と症状が出ないことが多く、そのような成功体験の積み重ねが、治癒へとつながっていく。

里中高志(さとなか・たかし)

精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。大正大学大学院宗教学専攻修了。精神保健福祉ジャーナリストとして『サイゾー』『新潮45』などで執筆。メンタルヘルスと宗教を得意分野とする。著書に精神障害者の就労の現状をルポした『精神障害者枠で働く』(中央法規出版)がある。

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