>  >  >  > 「引きこもり」は思春期の「視線恐怖症」から!

「引きこもり」の原因は思春期の「視線恐怖症」!薬物療法・認知行動療法などで完治する!

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視線恐怖症は中高校生期に発症しやすい(shutterstock.com)

 怖いのは、十人十色、百人百様、千人千態――。

 巷に溢れる「何とか恐怖症(フォビア)」も夥しい。高所、閉所、暗所、先端、飛行機、歯医者……。そして「饅頭」が怖いのは落語のネタだが、なかでも、最近、社会問題にまで発展しているのが「対人恐怖」や「視線恐怖」に怯える人々だ。

対人恐怖症は日本の「恥」の文化に根ざす文化依存症候群?

 対人恐怖症とは何だろう?

 『精神医学事典』(弘文堂)は「対人場面で不当な不安や緊張が生じて嫌がられるとか、不快感を与えるのではと考え、対人関係から身を引こうとする神経症」としている。

 米国精神医学会『精神障害の診断と統計マニュアル第4版(DSM-IV)』は、「外見、臭い、表情、しぐさなどが他人を不快にするのではという社交不安障害(社交恐怖)。あがり症とも呼ぶ」とする。

 つまり、対人恐怖症は、人前で症状が出るのを恥じ、不安感に囚われる「社交不安障害(社交恐怖)」だ。日本の「恥」の文化に根ざす、日本人の特異的な文化依存症候群ともされる。主な症状は、赤面症、表情恐怖症、視線恐怖症などだ。

視線恐怖症の2つのタイプ

 視線恐怖症は2つのタイプがある。

 1つは「自分に対する他人の視線に抱く恐怖」。話し相手の目線が気になり自然に話せない、誰かが行動を観察し、噂していると感じる、他人とすれ違う時に相手から見られている、他人の視線が突き刺さる恐怖を覚えるなど、過剰な被視妄想の症状が現われる。

 もう1つは「他人に対する自分の視線に抱く恐怖」。自分の視線が相手に不快感を与えていないか、自分の目つきが相手に悪印象を及ぼしていないかなど、自意識過剰の恐怖や不安を伴う。

 視線恐怖症の人は、大勢の人中にいる時に他人の視線が気になり過ぎるため、金縛りの状態など陥りやすい。人混みを極端に嫌い、車のルームミラーなどにも恐怖を感じる時がある。

視線恐怖症は中高校生期に発症しやすく、「引きこもり」の原因にも

 視線恐怖症の原因は何だろう? 視線恐怖症は、自分がどう見られているかを過剰に気にし始める中高校生期に発症しやすい。些細な出来事が動機になる場合が少なくない。

 たとえば、授業中に答えられず、恥ずかしい思いをした、人前で発表した時に笑われた、屈辱感に襲われ心が傷ついたなど、誰にでもありがちな些末な失敗が引き金になりやすい。しかも、同じ失敗を繰り返すのではないかという不安や恐怖が高まると、辛い局面や苦手な場面を避ける忌避行動に走りがちになる。

 その結果、人前に出たくない、人と接したく、人と話したくないなどの対人ストレスが強まることから、引きこもったり、QOL(生活の質)が破綻する恐れもある。

 しかし、「不安」や「恐怖」は、リスクから生体を守る防御本能だ。その時、働いているのが、脳の扁桃体だ。扁桃体は、情動や感情の処理、直観力、恐怖の記憶などの役割を担っている。したがって、扁桃体が身に迫るリスクやストレスを感知すると、闘争や逃走などの活動を促す交感神経が活発化し、アドレナリンが分泌されるので、心拍数、呼吸数、血圧値が上昇する。

 つまり、視線恐怖症は、リスクに直面した時に、扁桃体がリスクから生体を守るために応答する情動反応であり、ホメオスタシス(恒常性)を維持するための自然な生体活動でもある。

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