腸内細菌が認知症に関連している可能性示す研究に注目

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ダイエット飲料でアルツハイマー病リスクが2.89倍?

 腸内細と菌認知症との関連性はあるのか、ないのか?

 『Stroke』2017年5月号に掲載された米ボストン大学医学部神経学部、Matthew Pase氏らの研究によれば、ダイエット飲料を1日1杯以上飲む人は、全く飲まないまたは週1回未満の人よりも、脳卒中リスクが2.96倍、アルツハイマー病リスクが2.89倍に上っているとしている。

 Pase氏は「人工甘味料による加糖飲料が心臓にも脳にも不健康だというエビデンスは確立し、今や世界的な常識だ」と主張している。

 さらに「過去の先行研究においても、ダイエット飲料は血管疾患や体重増加に関連しており、腸内細菌を変化させるとの見解が示されてきた。さらに我々の研究成果として、人工甘味料入り飲料が身体に及ぼす影響、さまざまな疾患をもたらすであろうリスクについて調べる必要性がある点が示唆されたと思う」としている。

 これらの数々の研究成果を知れば、腸内細菌叢がヒトの健康の鍵を握っている事実に気づかされる。

 ちなみに、ビフィズス菌や乳酸菌などの腸内細菌叢の研究の進展によってクロストリジウム目に属する細菌群が炎症・アレルギー応答を抑制する制御性T細胞(Treg)の誘導に関与している事実が明らかになり、医療への応用が進みつつある。

 さらに、最近の研究によれば、腸内だけでなく、口腔内、胃内、膣内、皮膚の表皮に存在し、ヒトの健康に寄与する夥しい菌による細菌叢(フローラ)が明らかになっている。

 菌を殺して体を守るアンチバイオティクス(抗生物質)に対して、このところ頻繁に聞くようになった「プロバイオティクス」。体のあらゆるところにある細菌叢の知見が積み重なることで、近未来の医療が大きく変化していく予感がする。

睡眠障害治療の新たな幕開け!個人に必要な睡眠の「量」と「質」を決める遺伝子を探せ
インタビュー「睡眠障害治療の最前線」後編:筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構・佐藤誠教授

前編『『人間の「脳」は7時間程度の睡眠が必要! 本当のショートスリーパーは100人に1人程度!?』』

ひとくちに睡眠障害といっても、さまざまな症状がある。1990年代後半から脳内に眠気を誘う「睡眠物質」を探す研究にスポットライトが当たり、2018年からは睡眠の質と量を決める遺伝子の解析も進められている。今回は睡眠障害について、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の佐藤誠教授に話しを聞いた。

Doctors marche アンダカシー
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精神保健福祉士。フリージャーナリスト。1977年…

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医療法人社団 三喜会 理事長、鶴巻温泉病院院長。…

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フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法…

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