睡眠の謎 ショートスリーパーはなぜ眠らない?(depositphotos.com)
日本は世界でも有数の“睡眠不足大国”として知られているが、個人差はあるものの、多くの人にとっては6~8時間程度眠ることが最適だということがわかっている。
「自分はショートスリーパーだから、短い睡眠で大丈夫」というのは無理があるという。本当に睡眠時間が5時間未満のショートスリーパーだと判明するのは、100人中1人いるかいないかだとされている。
「人はなぜ眠るのか?」と考えることはないだろうか。よくよく考えてみたら、毎日眠らないと生きていけないというのは不思議なことかもしれない。しかし、最新の研究をもってしても、人がなぜ眠らなければならないのかは、よくわかっていない。
眠りについて少しおさらいをすると、睡眠には「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」という2つのタイプがある。寝るとまず「ノンレム睡眠」が、続いて「レム睡眠」が出現して、90〜120分おきに交互に繰り返しているとされている。
ノンレム睡眠は、体と脳の両方が休息している睡眠で眠りの深さにより3段階に分かれている。目が覚めやすい浅いノンレム睡眠を経て、深いノンレム睡眠である「深睡眠(徐波睡眠)」に至るのに、約30分を要する。一方のレム睡眠は、全身の筋肉は弛緩しているが、大脳は活発に活動している状態。レム睡眠のときには、明瞭な夢を見ていることが多い。
ヒトの睡眠について、どこまでわかっていて、どこからがまだ解明されていないのか。筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)の佐藤誠教授に話を聞いた。