シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」39回

日焼け止めクリームを検証する!紫外線吸収剤には危険な化学物質が使われている

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「こども用日やけ止め乳液 サンスクリーンミルクSPF20PA++25ML」(ハイム化粧品)

 皮膚を刺激すると指摘のある、紫外線吸収剤、パラベン、香料、着色剤、鉱物油、石油系合成界面活性剤、アルコール、殺菌剤を配合していない乳液タイプです。

 これらの成分を使用しないほうが肌に優しいのは確かです。感受性の強いデリケートな肌の子どもを対象にした製品ではなおさらのことです。同製品もそうした視点から販売されているはずですが、危ない物質がすべて排除されているわけではありません。

 同製品の成分表によると、紫外線散乱剤として酸化チタンが6.80%含まれています。酸化チタンはナノサイズ化(毛髪の直径の10万分の1、DNAの直径の約2分の1くらいの長さ)されています。

 2009年2月、東京理科大学薬学部ナノ粒子健康科学研究センターの研究グループは、「マウスの実験で酸化チタンのナノ粒子が次世代の脳神経や生殖系にも悪影響を与えることが明らかになった」と、日本薬学会発行の研究論文集(英語版)で発表しました。研究論文によると、妊娠マウスに、粒径40ナノメートルの酸化チタン0.1mgを食塩水に混ぜて、4回皮下投与したところ、酸化チタンは生後6週齢のマウスの脳に移行し、末梢血管に沈着し、特定部位に集中的なアポトーシス(細胞死滅)を誘発、また、生殖機能への影響も大きく、精子生成能力に20%以上の低下が見られたとのことです。

 ナノサイズ化された化学物質は、皮膚からの吸収も多いのですから大問題です。経皮吸収やたんぱく質変性作用がある合成界面活性剤も、イソステアリン酸ポリグリセリルー10、ポリリシルイン酸ポリグリセリルー6、ベンタステアリン酸ポリグリセリルー10と使われています。

 また、皮膚保護剤として、BG(ブチレングリコール)が1.90%含まれています。BGは「溶血作用あり。染色体の異常で赤血球の減少の報告」(『改訂版食品・化粧品危険度チェックブック』体験を伝える会添加物110番)と指摘されています。

 基材としてジメチコンが0.93%含有していますが、「皮膚刺激性化学物質からの保護作用はあるが、皮膚呼吸に対しての作用は不明」(『経皮毒データブック』稲津教久:著)と、安全性は不透明です。

 殺菌剤は不使用となっていますが、防腐剤・抗菌剤のフェノキシエタノールが使用されています。「皮膚、粘膜を刺激し体内に吸収される。麻酔作用がある」(「改訂版食品・化粧品危険度チェックブック」体験を伝える会添加物110番)と指摘があります。子ども用日焼け止めクリームにしては、危険な化学物質が多く使われていますので、あまりお勧めできる製品ではありません。

「オーガニック子供用【日焼け止めローション】T&V【SPF30】87ml」(バジャB)

 紫外線をブロックする有効成分は酸化亜鉛で、12%含有しています。金属が粉塵化(ヒューム)したものを吸入すると健康被害が出ます。酸化亜鉛の場合、「ヒュームを吸入すると、金属ファーム熱を引き起こす。気道を刺激する」(『国際化学物質安全性カード』厚生省生活衛生局企画課生活化学安全対策室ほか)とあります。

 ただし「酸化亜鉛それ自身はほとんど無毒無害であり、わずかながらも収斂殺菌性があるので粉剤、軟膏などとして外用薬として使用している」(『化学物質の安全性・危険性』堀口博:著)と、記載されています。日焼け止めクリームに使われている分には心配はありません。

 子ども用日焼け止めクリームの紫外線吸収剤には、ウロカニン酸エチルやベンゾフェノンがよく使われます。ウロカニン酸エチルは「経皮吸収すると皮膚障害、アレルギーを誘発する可能性があり、発がん性物質の疑い」、ベンゾフェノンは「経皮吸収すると急性致死毒性があるといわれる。臓器障害の恐れ。環境ホルモンの疑い」と、指摘されているのに比べると、酸化亜鉛ははるかに安全であるといえます。そのため子ども用として、安心できる製品と言えます。
(文=郡司和夫)

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郡司和夫(ぐんじ・かずお)

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

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