子どもには絶対に使ってはいけない生活用品 連載1回

たとえ「子ども用」でも安心してはいけない! 日焼け止めクリームには危険な化学物質がいっぱい

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KODOMOSEIKATSU01.jpg日焼け止めクリームには、さまざまな化学物質が含まれている

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 5月31日、東京都心の最高気温は32度2分を記録しました。5月中としては気象庁が統計を開始した1876年以降、最高温度だったといいます。いったい今年の夏はどうなるのか心配になりますが、日焼け止めクリームメーカーは、ここが稼ぎ時とばかりに宣伝・販売に力を入れています。

 日焼け止めクリームには、多かれ少なかれ、多種多様な紫外線吸収剤が配合されています。これらが紫外線を吸収し、人体に影響の少ない赤外線や可視光線に変換して放出します。

 紫外線吸収剤としてよく使われている化学物質は、「ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル」と「酸化チタン」ですが、これらが記載されている製品は、肌が敏感な子どもには絶対に使ってはいけません。

 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルは、皮膚に刺激を与えてアレルギーの原因になる恐れがあります。また、ナノサイズ化(1ナノメートル=0.001マイクロメートル=0.000001ミリメートル)されている酸化チタンも、非常に危険な物質です。

 2009年に東京理科大学薬学部ナノ粒子健康科学研究センターの研究グループは、「マウスの実験で酸化チタンのナノ粒子が次世代の脳神経や生殖系にも悪影響を与える」との論文を発表しています。論文によると、妊娠したマウスにナノサイズ化した酸化チタン0.1mgを食塩水に混ぜて4回投与したところ、酸化チタンは生後6週齢のマウスの脳に移行して末梢血管に沈着し、特定部位に集中的な細胞の死滅を誘発したとあります。

 日焼け止めクリームを食べる人はいないでしょうが、化学物質は皮膚や粘膜からも体内に吸収されますので注意が必要です。ちなみに、酸化チタンは、食品添加物にも指定されていて、ホワイトチョコレート、和菓子など白色の食品に使われています。

日焼け止めクリームの問題に含まれるさまざまな化学物質

 2007年に厚生労働省は、紫外線吸収剤の規制を設けました。それは製品100g中3gまでしか配合できないというものです。また、粘膜に使用する化粧品には使えないことにもなりました。紫外線吸収剤が皮膚や粘膜に与える悪影響を懸念しての規制であることは明白です。

 日焼け止めクリームの問題は、紫外線吸収剤だけではありません。紫外線吸収を製品に馴染ませるために「ラウレス硫酸ナトリウム」や「ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメツコン」などの合成界面活性剤が使われていることです。合成界面活性剤は、皮膚のたんぱく質を破壊する恐れがあります。特にラウレス硫酸ナトリウムは、その作用が強いと指摘されています。

 また、皮膚保護剤や被膜形成剤として多くの日焼け止めクリームに使用されている「ポリシリコーン-15」なども、子どもには使わせたくない物質です。シリコーンは、眼や皮膚、上気道を刺激し、咳の原因になる恐れがあります。

 これらの成分が含まれている子ども用の日焼け止めクリームも多くあります。子ども用だから安全だろうと、平気で日焼け止めクリームを塗りたぐっている親たちがいますが、子どもたちに与える将来のリスクをもっと考える必要があるでしょう。

 日焼け止めクリームには植物由来のエッセンスを主成分にしたオーガニックのものもあるので、できるだけ子どもにはそうしたものを使わせるようにすべきです。それでも1日中、塗り放しというのは避けるべきです。


郡司和夫(ぐんじ・かずお)
フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

郡司和夫(ぐんじ・かずお)

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

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