20%以上減量すれば外科治療や薬物治療の必要もなくなる
米国立衛生研究所(NIH)は、過体重や肥満の成人の減量目標として、まずは現在の体重を10%減らすことを推奨している。
しかし、Messier氏は「今回の結果から、NIHの推奨基準を超える20%以上の減量に成功すると、膝OA患者は外科治療や薬物治療を行うことなく良好な臨床転帰が得られることが分かった」と強調している。
専門家の一人で米レノックス・ヒル病院のMatthew Hepinstall氏は「日々の診療で過体重は膝OA患者の転帰に大きな影響を及ぼす因子であることを実感している」と話す。
そして、今回の結果を受け「膝OAを抱える過体重や肥満の患者において、減量は外科手術を行わずに痛みを軽減し、QOLを向上させる数少ない手段の一つだとする新たなエビデンスが加わった。
減量は簡単なことではないが、その有益性からも患者が努力するに値することを強く裏づけるデータだ」と評価している。
(文=編集部)