連載「更年期をのりこえよう!」第15回

あなたのその症状、もしかしてエストロゲン欠落症状だと誤診されていませんか?

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あなたの不定愁訴はなんの病気?shutterstock.com

 更年期は「病気のデパート」といわれるほど多彩な疾患に見舞われる。女性ホルモンであるエストロゲンの減少のみならず、環境の変化やストレス、加齢などによって様々な疾患にかかるリスクが高まるからだ。

「更年期症状」とは、いわば更年期に差しかかった女性が抱える多彩な不定愁訴を包括的に表す言葉であり、非常に広い概念として用いられている。そして、「更年期症状」が治療を要するレベルになると、「更年期障害」といわれる。

 よって厳密にいえば、女性ホルモンの減少によっておきる「エストロゲン欠落症状」は、多彩な「更年期症状」のなかの1つだということになる。

 ところで、更年期によくみられる疾患で、一見すると「エストロゲン欠落症状」と間違われやすい疾患がいくつかある。以下に代表的なものを挙げるが、どの疾患にも驚くほど似たような症状が現われることに気づくであろう。

 更年期に差しかかった女性が、身体の不調に、どこの科を受診したらよいのかわからず、ドクターショッピングを繰り返してしまうのも無理なからぬところがある。しかも、単独の疾患とは限らず、年齢を重ねるほど複数の疾患を併発していることが多いので厄介だ。

誤診されやすい、甲状腺ホルモン異常、糖尿病、鉄欠乏性貧血、メニエール病…

1、甲状腺機能亢進症
甲状腺から甲状腺ホルモンが多量に分泌される疾患。
全身の代謝が高まるため、更年期症状と非常によく似た症状を呈する。
<症状> 全身倦怠感 易疲労感 ほてり 全身の発汗 動悸 手足の震え 
イライラ 食欲亢進 排便回数の増加 体重減少
2、甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌が低下して、活動性が低下する疾患。
<症状>全身倦怠感 易疲労感 冷え めまい 皮膚の乾燥 むくみ 便秘 体重増加 無月経
3、糖尿病
膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌されるインスリンの不足により、慢性の高血糖状態をきたす代謝疾患。
<症状>全身倦怠感 易疲労感 体力低下 易感染 口渇 多飲 多尿 体重減少 
4、鉄欠乏性貧血
体内の鉄が欠乏してヘモグロビンを生産できないことによる貧血症状。
子宮筋腫による過多月経の女性にみられることが多い。
<症状>全身倦怠感 易疲労感 動悸 息切れ めまい 立ちくらみ 
5、メニエール病
繰り返す回転性のめまいに耳鳴りや難聴を伴う内耳の疾患。
ストレスが発症に関与しているといわれる。
<症状>めまい 耳鳴り 難聴 嘔気 冷や汗 動悸
6、シェーグレン症候群
涙腺や唾液腺などの外分泌腺が慢性炎症をおこす自己免疫疾患。
中高年の女性に多くみられる。
<症状>目や口の乾燥
7、関節リウマチ
関節に痛みや変形が生じる炎症性の自己免疫疾患。
<症状>朝の手指のこわばり 関節の腫脹
8、椎間板ヘルニア
椎間板を構成する髄核や線維輪の一部が椎間腔から突出した状態。
神経根の圧迫により感覚障害や運動障害をきたす。
<症状>腰痛 下肢の疼痛 痺れ 浮腫 筋力低下 痙攣 間欠性跛行(はこう)
9、変形性膝関節症
膝関節の軟骨や半月板が長期間わたってすり減り変形した状態。
炎症によって関節液が過剰に貯留し痛みを伴う。肥満女性に多い。
<症状>膝痛

 医師は不定愁訴の内容を整理して、内科的、婦人科的、整形外科的な諸検査を行ない、症状の直接の原因がエスロゲンの減少によるのか、その他の疾患が背後に潜んでいるのかをよく見極めて、適切な治療へと導いていかなければならない。

 更年期に不調を感じたら、一人で悩まずに、まずは「女性総合外来」や「更年期外来」などを受診して、医師に不定愁訴の交通整理をしてもらおう。


連載「更年期をのりこえよう!」バックナンバー

宮沢あゆみ(みやざわ・あゆみ)

あゆみクリニック院長。早稲田大学卒業後、TBSに入社し、報道局政治経済部初の女性記者として首相官邸、野党、国会、各省庁を担当。外信部へ移り国際情勢担当。バルセロナオリンピック特派員。この間、報道情報番組のディレクター、プロデューサーを兼務。その後、東海大医学部に学士編入学。New York Medical College、Mount Sinai Medical Center、Beth Israel Medical Center へ留学。三井記念病院、都立墨東病院勤務などを経て「あゆみクリニック」を開業。働く女性に配慮して夜間や土曜も診療しており、思春期から更年期までの女性のトータルケアに力を入れている。
あゆみクリニック」完全予約制。診療日:月,火,木 11:00~14:00 17:00~20:00 土 11:00~16:00

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