摂食障害からマラソン元日本代表が万引き!? 窃盗症(クレプトマニア)の引き金とは?

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スポーツの体重制限から始まることも

 2017年7月、コンビニで化粧品や菓子パンなどを8点、約2600円相当を万引きしたとして、名古屋国際女子マラソンで優勝し世界陸上への出場経験もある、女子マラソン元代表の選手の原裕美子氏が窃盗罪で逮捕。懲役1年、執行猶予3年の判決が言い渡された。

 原氏は、現役選手時代、ストレスから過食になり、体重制限にひっかからないために嘔吐をするようになったという。吐くと体重が減って好成績が出ることから、やめられなくなったそうだ。

 そして今年(2018年)2月9日、原氏は再び、群馬県太田市内のスーパーでキャンディー1袋など計3点(販売価格計382円)を盗んだ疑いで逮捕。「店を出る前に商品を戻すつもりだった」と容疑を否認していたが、前橋地検太田支部は3月2日付で原容疑者を起訴した。

 ちなみに原被告は、摂食障害や病的窃盗の治療で、昨年(2017)末まで県外の病院に入院していたという(サンスポ電子版:2018年3月6日より)。

 これまで単なる犯罪として扱われてきた万引きは、最近ようやく窃盗症(クレプトマニア)という病理として捉えられ、医療の観点から考えるべきだという風潮に変わってきた。

 同様に、摂食障害が背景にある窃盗症(クレプトマニア)についても、早急に医療的なケアの枠組みが構築される必要がある。

 さらにその背後には、痩せていることを美しいとする女性への世間の圧力、アスリートの場合は成績至上主義に選手の精神的ケアが追いついていないことなど、さまざまな社会的問題が隠れている。

 医療界、法曹界、スポーツ界の垣根を超えた連携と対策が求められている。
(文=編集部)

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