「To-Doリスク群」が入眠までの「平均時間が短い」
被験者たちは実験当時、全員が「22時半」にベッドインするように指導され、日常習慣がどうであれ電子機器類や宿題の持ち込みも厳禁として各自眠りに就いた。そして、その夜の各自の睡眠状態が、研究所所蔵の「睡眠ポリグラフィー」と呼ばれる検査装置を用いて厳正に観察された。
観察記録を検証した結果、①と②の両群に差が判明した。具体的には、②の「日記群」と比べ、①の「To-Doリスク群」のほうが、ベッドインから入眠までの「平均時間が短い」というものだ。
Scullin氏は「To-Doリストと睡眠の関係について、かなり有望な結果が得られたと思うが、今後もより大規模な研究で検証する必要があることも確かだ」と指摘。
さらに同氏は、今回の研究対象が若くて成人という層に限られていた点にも触れ、「たとえば今回の研究結果が、はたして不眠症患者にも当てはまるものなのかどうか等は不明だ」としている。
To-Doリストリスト自体がストレス要因に!?
一方、タスク処理の効率化から生産性を高め、自由な時間を手にする最強ツールとして重用されてきたTo-Doリスト自体が、近年、「不要論」にさらされている事実も否めない。
事実、多くの富裕層や起業家、一流アスリート、優秀な学生陣などを取材した米国の人気作家は、「成功者はTo-Doリストは使わない」と指摘しており、多くの支持を得てもいる。
To-Doリストの「不要/否定派(カレンダー方式の支持派が大勢)」が共通して挙げる、その問題点は、To-Doリストは「所要時間が分からない」「緊急事項と重要事項の判別がしにくい」「前掲のストレス要因(ツァイガルニク効果)を生む」という3点だ。
しかし、アプリケーション化された昨今のTo-Doリストは、期日との組み合わせ登録で管理もでき、カテゴリ分類や重要度、あるいは締切日の確認なども対応可能だ。
要は、それを活かすも実質不要とするのも、自分の使い勝手や相性次第というわけだが、「自分の場合はTo-Doリストでも予定表でも手書きで書かないとどうにも落ち着かない」という人には、今回紹介した就寝前の行為を実践してみると、思わぬ快眠効果が得られるかもしれない。
(文=編集部)