③経皮的神経刺激法による治療(電気・磁気刺激装置による治療)
慢性的な片頭痛は治療が困難であり、頻繁に薬物の使用過多による頭痛や、慢性頭痛と関連する。近年、経皮的神経刺激法による(非侵襲的神経刺激)治療の報告が蓄積されてきています。
「Cefaly(登録商標)」装置を用いた経皮的眼窩上部の神経刺激が有名ですが、それ以外にも、迷走神経、蝶形骨口蓋神経節、後頭神経を刺激する方法も報告されています。
さらに、電気刺激だけでなく、経頭蓋に磁気を使って刺激する方法や、手術によって体内に電極を埋め込んで深部の脳を刺激法する方法まで報告があります(文献:5)。
ただし、これらの神経刺激治療は日本で保険診療の適応範囲外で、一般的な治療ではありません。今後これらの神経刺激治療も薬物療法とともに、治療選択の1つとして広がっていくことが期待されています。
以上、最近の話題となっている頭痛診療、最新治療について取り上げました。ここに紹介していないものでも、重要で、新しい治療はまだまだ沢山あります。個々の患者さんの治療については、現在の主治医の先生と十分相談の上、自分にあった治療を心がけてくださいますようお願い申し上げます。
(文=西郷和真)
●参考文献
(1)Hundert AS, et al.Commercially avAIlable mobile phone headache diary apps: a systematic review.JMIR Mhealth Uhealth. 2014 Aug 19;2(3):e36.
(2)Bigal ME, et al. TEV-48125 for the preventive treatment of chronic migrAIne. Neurology 2016;87:1-8.
(3)Goadsby PJ, et al. A controlled trial of erenumab for episodic migrAIne. N Engl J Med 2017;377:2123-2132.
(4)Tepper S, et al. Safety and efficacy of erenumab for preventive treatment of chronic migrAIne: a randomised, double-blind, placebo-controlled phase 2 trial. Lancet Neurol 2017;16:425-434.
(5)Schwedt TJ, et al.Neurostimulation for Treatment of MigrAIne and Cluster Headache.
PAIn Med. 2015 Sep;16(9):1827-34.