大気汚染と重篤疾患の元凶「PM2.5」に警戒を!
PM2.5などの微小粒子状物質は、大気中に浮遊している2.5μm(1μmは1mmの1000分の1)以下の小さな粒子。従来の環境基準が定める浮遊粒子状物質(SPM:10μm以下の粒子)よりもさらに小さな粒子だ。
微小粒子状物質は、燃焼によって排出される物質と、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、揮発性有機化合物(VOC)などのガス状大気汚染物質が大気中の化学反応によって粒子化した物質とがある。
発生源は、ボイラー、焼却炉などのばい煙を発生する施設、コークス炉、鉱物の堆積場などの粉じんを発生する施設の他、自動車、船舶、航空機などの人為起源のもの、土壌、海洋、火山などの自然起源のものに分かれる。
PM2.5の濃度が高まると、呼吸器系や循環器系の疾患のリスク因子になりやすい。
PM2.5の濃度は、季節による変動がある。毎年3~5月頃に濃度が上昇し、夏~秋に比較的安定する。春先は黄砂も飛来するので注意が必要だ。黄砂は、東アジアの砂漠域(ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠など)や黄土地帯から強風によって大気中に舞い上がった黄砂粒子が浮遊・降下する現象だ。
住んでいる地域のPM2.5などの大気汚染物質濃度を知りたいときは、大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」のサイトが参考になる。
都市の緑化でPM2.5の濃度が抑制され、喘息が減るのは朗報だ。ただ、冬季は樹木が立ち枯れて瑞々しさが失われるのは少し寂しい。冬来りなば春遠からじ。PM2.5などの大気汚染物質への警戒も怠らないようにしよう。
(文=編集部)
*参考
▶︎政府広報オンライン「『PM2.5』による大気汚染健康に及ぼす影響と日常生活における注意点」
▶︎環境省「微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報」