夜間・休日の「遠隔診療」の充実を(depositphotos.com)
夜間や休日に子供の具合が悪くなった時、どうしますか? 「対処方法が正しいか?」「診療時間外に病院を受診した方が良いか?」など判断に迷いませんか?
私は、現在、いわき市(福島県)で、1歳児の育児中の内科医です。先日、金曜日の夕方に子供が発熱しました。その夜、40度を超す発熱が続きましたが、比較的元気で水分摂取もできましたので、自宅で様子を見ました。
そして、土曜日、小児科の通常診療を行っている医院を探して受診しました。鼻汁と咳もありましたので去痰剤を処方されましたが、「かかりつけではないので、週明けに熱が続いていたら、かかりつけ医を受診して下さい」と言われたのみで、状態についての十分な説明も解熱剤の処方もありませんでした。
受診後も発熱が持続し、子供の活気もだんだんなくなってきて、解熱剤が必要と考えたため、薬局で購入して対応しました。土曜日の夜から皮疹が出現しましたが、何とか水分をとることはでき、尿も出ていましたので、緊急で時間外診療を受診する状態ではないと考え、週明けまで自宅で様子を見ました。
医学的知識があっても「受診の必要性の判断」は難しい
インターネットで調べたところ、いわき市の「休日・夜間診察病院」は1か所のみでした。1か所しかない救急病院ですので、特に緊急性のない受診は控えるべきと考えます。
しかし、受診の必要性の判断は難しいと思います。医学的知識があっても不安になります。子供のつらそうな様子をずっと見ていたり、周囲から「本当に大丈夫?」「病院に行かなくてよいの?」と言われたりすると、不安は増します。
特に夜は、人間を不安にし、時間の経過を遅く感じさせます。さらに、子供の病状は刻々と変化します。このような時、「安心」と「安全」は違うものだということを実感します。
最近はウェブサイト「こどもの救急」など判断の参考にできる情報もいろいろと入手できます(註1)。また、厚生労働省の提供する小児救急電話相談(#8000)で電話相談をするという方法もあります。
いわき市の「こども救急電話相談」の件数1713件は少なすぎる
平成25年度の実績報告では、いわき市の「こども救急電話相談」の件数は1713件(のべ365日)でした(註2)。平均すると1日あたり4〜5件の計算になります。しかし、いわき市の人口が(34万6119人)、年少人口(0〜14歳)が4万1102人(平成29年4月1日現在)であることから考えると、少ない印象です(註3)。
手段を知らない場合も多いのかもしれません。そして知っていたとしても、「自分が子供の状態を正確に把握できるか?」「状況を十分に説明できるか?」などと考えると、時間外受診を第一選択とするかもしれません。