医療費助成が理由? 安易な子どもの受診
子育て真っ最中の筆者の個人的な印象ではあるが、子どもを小児科に受診させる際に、自宅から絵本やおもちゃを持参する親は、日本ではごく少数。咳込んでいる子でもマスクを着けさせていない例が、しばしば見受けられた。
子どもの医療費を市区町村が助成して、小児科を受診した際に窓口負担がほとんどないケースも多い。目に見える金銭の支払いが少ないために、軽症の子でも親が気楽に小児科に連れて来ているのかもしれない。
しかし、冒頭でも述べたが、病院の待合室にはウイルスや細菌といった病原体がウジャウジャいる。さらなる病原体をまき散らさない気配りや、感染から子どもを守る覚悟が親には必要ではないだろうか。小児科医も、普段から親が子の体調を把握して、受診するかどうかを見極めてほしいと語っている(参考:子どもが発熱してもあわてない! 薬を減らして免疫力を育てよう)。
これから風邪のシーズンに入っていくが、我が子が病気に感染するリスクを減らすため、そして緊急性の高い子どもたちの待ち時間を減らすためにも、「子どもを受診させる」意味をしっかりと考えたい。
(文=森真希)
森真希(もり・まき)
医療・教育ジャーナリスト。大学卒業後、出版社に21年間勤務し、月刊誌編集者として医療・健康・教育の分野で多岐にわたって取材を行う。2015年に独立し、同テーマで執筆活動と情報発信を続けている。