子どもが病気になったらどこに預ける? "病児・病後児保育"への理解を深めよう!

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病児保育の必要性は社会に浸透していない? terumin K/PIXTA(ピクスタ)

 「子どもが病気になったとき、預ける所がなくて困った」――。そんな経験をもつ保護者は多い。全国的に病児保育施設は徐々に増えてきているが、まだまだ不十分だ。

 兵庫県が2014年に実施した少子対策や子育て支援についての調査では、「女性が子育てをしながら働く際に困難なこと」の問いに、7割以上が「病気やけがなど子どもの緊急時に対応しにくい」と答えたという。

 そもそも、受け入れてくれる施設数の不足という問題の以前に、病児保育の必要性や病気になった子どもを預かることの意味は、まだまだ社会に浸透していないのが現状だ。病児保育に関わるある医師は、「『病気のときくらい母親が見るべきだ』と考える小児科医もなかにはいる」と指摘する。

 一方、病児保育を必要とする側の大きな悩みは、職場の環境や同僚の理解などによって「休めない」「早く帰れない」「周りに迷惑をかけてしまう」というものだ。遅刻や早退、中抜けもダメ......。しかし本来は、「育児・介護休業法」で「子の看護休暇制度」が定められている。

 育児や介護を行う労働者の仕事と家庭との両立をより一層推進するために、育児・介護休業法が改正された。小学校就学前の子どもを育てる労働者は、事業主に申し出て、病気やけがをした子の看護のために休暇を取ることが可能だ(1年度中に5日まで)。この休暇は、労働基準法で定める年次有給休暇とは別に与えられるもので、事業主は業務の繁忙などを理由に拒むことはできない。

 ちなみに、岐阜県が平成26年度の育児休業等実態調査結果によると、子の看護休暇制度を利用した労働者がいる事業所の割合は僅か9.1%だった(調査対象: 同県全域の常用労働者10人以上の民営企業1400事業所)。これは制度そのものの認知が不十分なこともあるだろう。
    
 「少子対策には、働いても安心できる社会の実現が不可欠」。"理屈"では分かっていても、なかなか"理解"までは及んでいないのが現実だ。「仕事をやる以上は母親でも責任がある」「安易に休むのはどうか」「仕事をしないで専業主婦になればいい」――。特にシフト制の仕事などは、「他の人に負担がかかる」と心苦しく思っている人も多いだろう。

新たな価値観と世論が社会全体での"病児保育"を実現

 病児保育の問題を解消するために、病児保育を担う一方で働き方の改善を提言したりする民間団体の取り組みが注目されている。2004年4月にスタートした、認定特定非営利活動(NPO)法人フローレンスは、病児保育事業をメインに7つの事業を展開している。

 そのひとつは、「日本の働き方を半径5mから変える」と称して、「働き方革命事業部」の社員自身が日々実践している具体的な取り組みを紹介。ITをフル活用して徹底した業務効率化など、ワークライフバランスの実現を提唱している。

 また、「伝える変える事業」では、社会問題を生み出す構造(制度や法律)を変えていくアドボカシー(政策提言)活動に取り組んでいる。その一環として、メディア出演、講演活動などに積極的だ。「法律が変わっても人々の意識が旧来のままでは、世の中は変わらない」と、新たな価値観と世論を生み出す、ソーシャルプロモーション活動も行っている。

 このように、病児保育の充実を進めていく一方で、抜本的な職場環境の改善も行わなければ解決しないだろう。さらにいえば、職場だけにとどまらず、社会全体の理解とバックアップがなされて、初めて"病児保育"が実現するのではないだろうか。
(文=編集部)

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